麦のおもらし

ドイツで細々と生きるズボラ主婦がもらす、インテリアや収納やなんやかんや

膝の下に、くっついてた

ご無沙汰しております。

もうすっかり冬といった感じです。

 

皆さまご存知の通り、麦が暮らしているドイツではコロナが増えて増えて、もうどうしようもない感じです。

 

「新規感染者数ものすごい」と理解してはいますが、アラフォー 麦夫妻と14歳の1人息子はとっくにお注射も済ませておりますので、粛々と日々を生きております。

 

さて、時は遡りまして、現在に比べればコロナもまだ下火だった2021年の夏休みのある日。

 

ラーメンでも食べに行こか〜!

 

と意見が一致した麦家の面々は、意気揚々と車に乗り込み、ラーメン屋に向かいました!

 

今となっては暗くて寒い冬ですが(クリスマスマーケットも始まってるし)、この時は夏ですから!

風が通り抜ける屋外の席に案内され、我々は機嫌よく注文を済ませました。

 

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匠 5号店 が好きです

 

ラーメンを食べながら、けたたましくお互いをディスり合いつつ(息子よ頭臭いぞ、かぁか(母…麦のこと)ニキビできてるね…それはニキビじゃなくて吹き出物というのだヨ)、楽しいランチタイムを過ごしました。

 

少し肌寒さを感じる、ドイツ的にスタンダードな夏の日。

寒がりな麦が、長袖Tシャツの上にスウェットのパーカ(今どきはフーディっちゅーの?)を着用していた…でもウルトラライトダウンは不要な、そんな日。

外でラーメンを食べるのに、ちょうど良い貴重な日。

気分良く、近くの席のお子様にまで愛想を振りまく我々。

 

麦家も一応ドイツ4年目(残念ながらドイツ語ぺらぺらなの息子だけ)ですので、短いドイツの夏のどの辺りを有り難がるのが正しいのかは、理解しつつあります。

 

このラーメンタイムは、有り難がるに相応しい、貴重な時間でありました。

 

楽しく食事を終え、つつがなくお会計を済ませて、麦家は再び車に乗り込みました。

 

せっかくの晴れたお休みの日なんだから〜♬

 

というワケで、一刻も早く家に帰ってゲームをしたい息子の意向をキッパリ無視し、少し遠回りをしてドライブを楽しむことにしました。

 

運転は夫、助手席に息子、運転席の後ろに麦。

所定の位置です。

 

麦は脚を組むクセがありますので、いつもの席でいつも通り、脚を組んでくつろぎながら景色を見ていました。

 

電車でも車でも飛行機でも、麦は車窓を楽しみます。景色を楽しまずにはいられない、貧乏性なのです。

飛行機から景色を見てても、雲しか見えないだろうって?

ふふふ…それがそうでもないのですよ。

ヨーロッパ内の移動でしたら、マッターホルンが綺麗に見えることが多いです。

カリブ海を飛行中、あの有名な海の穴(グレートブルーホール)も目撃しました。

貧乏性、ごくたまに役に立つ。

 

そのラーメンの日も、貧乏性を発揮して車窓を楽しんでいた麦。

ふと何かが気になって、隣に置いていたトートバッグに手を伸ばしました。

 

身体の真ん中らへんに置いていた手をバッグの方にスッと動かす途中…

 

麦の膝の辺りで、手が何か固いものに当たりました。

 

そして、その何か固いものが、麦の手の動きによって弾き飛ばされた気配を感じました。

 

⁉️

 

麦は、何か固いものが弾き飛ばされて着地したであろう場所を見ました。

 

 

ギヤゃーーぁぁーーーぁーーぁ‼️‼️

 

車内に、麦の悲鳴が響き渡りました。

 

 

めちゃめちゃデカいカタツムリが、車の床に転がっていました。

 

🐌‼️

 

あんなに大きなカタツムリ見たの、久しぶり。

いや、初めてかも。

 

その殻は年輪を感じさせる風格を漂わせておりました(カタツムリが何年生きるのか知らんけど)。ギャー。

 

麦は、気が進まないながらも、自分が履いていたズボンを観察しました。

裾の方から、カタツムリが這い上がったのであろうヌメヌメとした足跡(足はないけど)が、ハッキリと見て取れました。ギャーー。

 

外の席で、麦が機嫌よく家族とディスり合いながらラーメンを食べている間に、ぬめぬめと這い上がって来たのでしょう。

 

麦は想像しました。

 

ガヤガヤとうるさくラーメンを食べ終え、ガヤガヤしながら席を立った家族の中の1人(やかましいおかん)が、膝の下にカタツムリをくっ付けてお会計に向かう場面を。

 

なんとマヌケで、なんと面白いことか。

 

もし麦が隣のテーブルでラーメンを食べていて、膝の下にカタツムリつけてるやかましいおかんがレジに向かうのを見たら、3年分くらい笑いますね。

 

車を止めてもらって、カタツムリをそこら辺の茂みの中に放り込んで、ドライブを続けました。

カタツムリは生き延びたと思います。

 

 

膝の下にカタツムリを付けた人がガヤガヤと歩いてレジに向かう光景を想像すると、季節を超えた今も思い出し笑いが止まりません。

 

 

膝の下に、カタツムリ付き。

ふふふ。

 

 

 

 

 

☆カタツムリとその粘液は、寄生虫やらなんやらでとても危険です。触った後は、必ず石鹸で念入りに手を洗ってください☆

〈夏休みのプチお出かけにも!〉デュッセルドルフ近郊・現役最古の懸垂式モノレールに乗ってみよう

夏休みが始まって、早1週間が経ちました。

 

麦家も住むドイツのデュッセルドルフという街は「世界の住みやすい街トップ10」常連で、確かに住みやすい。ヨーロッパの他と比べれば、治安も良い。

 

しかし、観光や遊びとなると…うぅむ。

 

美術館は立派なのがあります。

ライン川に沿った街の景色もキレイです。

 

リトルトウキョウも人気ですが、デュッセルドルフに住む沢山の日本人にとっては、食料品を買いに行く所という感じ…うぅむ。

 

高級ブランドの路面店が沢山あるので、ショッピングができます。コロナ前までは、中国からの旅行客と思しきたくさんの方々が、お買い物を山ほど抱えて歩いておられました。

でも、高級ブランド店には滅多に…ほとんど…用がない。うぅむ。

 

日本発着のドイツツアーでも、デュッセルドルフを訪れることは、滅多にないでしょう。

 

そんなデュッセルドルフでの夏休み、親子で楽しめることって、何だろう?

子連れでショッピングはちょっとアレですし、お子様が小さいと、美術館ってのもちょっとまたアレですわ。

 

でも、デュッセルドルフから少し、足を伸ばせば。

小さなお子様連れでも(多分)気軽に体験できるお楽しみがあります☆

 

〈ヴッパータール空中鉄道〉

デュッセルドルフからほど近い場所に、ヴッパータールという街があります。

バレエで有名なので、ご存知の方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。

 

そのヴッパータールの街には、懸垂式モノレールが走っています。

その名もヴッパータール空中鉄道(独:Wuppertaler Schwebebahn ヴッパーターラー シュヴェーベバーン…ヴッパータールの宙吊り鉄道)。

 

Wikipediaによりますと

✔︎1898年に着工され、1901年に開通した。

✔︎現在も都市交通機関として使われており、現役最古のモノレールとなっている。

✔︎総延長は約13.3キロメートル

✔︎そのうち約10キロメートルはヴッパー川の上約12メートルの高さに架けられている。

✔︎残りの約3.3キロメートルは道路上に架けられ、高さは約8メートル。

✔︎全線の所要時間は約30分

とのこと。

 

最古川の上ですよ!

なかなかのもんでしょう?😤

 

ちなみに、湘南モノレールとヴッパータール空中鉄道は懸垂式モノレールの縁で、パートナーシップ契約を結んでいるらしい。

湘南モノレールのホームページでは、ヴッパータール空中鉄道について熱すぎるほど熱く、詳しすぎるほど詳しく語られています。

湘南モノレール、麦も乗ったことがありますが、ジェットコースターみたいでとても楽しいですね!

 

〈乗ってみよう〉

麦家には約1名、鉄道ファンがおります。

息子です。

ヴッパータール空中鉄道のことを知ると、案の定

乗る

と言い出しました。

 

息子は日本でも鉄道には強いヤツでしたが、ドイツでも健在でありました。

その息子が言うには、ヴッパータール空中鉄道に乗るにはまず

 

デュッセルドルフ中央駅からSバーン(都市近郊鉄道)でフォーヴィンケル駅(Wuppertal-Vohwinkel Bf )まで行く

 

とのこと。

 

Sバーンのフォーヴィンケル駅からヴッパータール空中鉄道のフォーヴィンケル駅までは、ちょっと歩く

 

ふむふむ。

 

そこからは、乗るだけ!ヴッパータールでお昼ご飯でも食べましょう

 

お、おぅ。

そこまで勝手にプランされてるのもなんだかなぁ…という感じですが、なかなか面白そうです。

 

まずはデュッセルドルフ中央駅からSバーンでフォーヴィンケルまで

普通電車ならのんびり30分ほど。急行なら約半分の時間で着きます。

 

Sバーンのフォーヴィンケル駅からヴッパータール空中鉄道のフォーヴィンケル駅までは、500メートル程離れています。

年長さんくらいからは、無理なく歩ける距離かな…?

 

Googleマップを頼りに歩いて行くと(目的地にはVohwinkel Schwebebahn-Wuppertal 等と入力します)

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空中鉄道の線路が見えて来ます。

気分が高まります!

 

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駅です。

なんだかむき出しです。

フォーヴィンケル駅は、ヴッパータール空中鉄道の西側の終点です。


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フォーヴィンケルの街並み。


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向こう側に車両が到着しました。

ぐるりとUターンしてこちらのホームに入って来ます。


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来ました、来ました!

息子は古い車両に乗りたかったようですが、残念ながら麦はのんびりご希望の車両が来るのを待つほど親切ではありません。

有無を言わさず、乗り込みます。


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1番前の席をゲット☆

発車です。しばらく進むと


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川の上を走ります。

70年ほど前、サーカスの宣伝のために象(タフィーという名らしい)を乗せて運行したところ、音と振動でパニックになったタフィーは車体を破って川にダイブしたらしい。

タフィーは軽傷だったそうです。

何もかもがはちゃめちゃで、とてもドイツらしいエピソードですね。

 

空中鉄道を楽しんでいると


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あっという間にヴッパータール市街に到着です。


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ヴッパータール市街地の広場。


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息子のプラン通り、お昼ご飯を食べました。

何の変哲もないスパゲティです。

 

家ではが待っていますので(全行程犬と一緒でも大丈夫です)、もう帰ります。

復路はヴッパータール中央駅からSバーンに乗って、デュッセルドルフ中央駅へ
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ヴッパータール中央駅

往路でデュッセルドルフ中央駅からフォーヴィンケルまで乗った列車、そのまま乗ってればここに着くのですが…目的は「空中鉄道に乗る」ですからね。

振り返ると、ヴッパータール空中鉄道が見えます。
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ヴッパータール中央駅は大きくてキレイ。

そして、すこし寂しい。
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快適なSバーンに乗って、帰路につきました。

 

数時間で行って帰って来られる上に、交通費だけでアトラクション気分も味わえるお得なお出かけコース。

 

夏休みのお楽しみに、いかがでしょうか♬

 

 

写真は2018年に撮影したものです。

 

*2021年7月15日追記*

大雨と洪水による被害に遭われた方々にお見舞い申し上げます。

交通機関の運行状況に影響が出ています。各交通機関のホームページなどでご確認ください。

 

〈デュッセルドルフで新型コロナワクチン接種〉1回目注射しました〜接種の流れ〜

〈お注射しました〉

ドイツでも、本日、我々アラフォー麦夫妻の順番がやって参りました。

新型コロナのワクチンです。

 

予約はインターネットからできます。

かかりつけ医での接種と、接種センターでの接種が選択出来ます。

 

そういえば夫と麦、ドイツに来てもうすぐ4年になりますが、お医者さんにかかったことがありません(歯医者は行きます)。

かかりつけ医がない。

というわけで、接種センターで受けることになりました。

 

でも、前にお注射したのなんて、いつのことでしょう。

夫は日本の会社では毎年インフルエンザの予防接種を受けていましたが、麦は思い出せません

 

採血じゃなくて、お注射。

むかーしに受けた日本脳炎の注射の痛さは、まだ覚えています。

 

憂鬱です。はぁ〜。

副作用も、怖い。

 

2週間ほど前に、麦と息子のドイツ語の先生(ドイツ人です)が接種しました。

どうだったか興味津々で聞いてみたのですが…

 

(まず注射した所を指さして)

ココから

(針の穴の場所から腕を通り、脇腹〜腰〜太もも〜膝までをススーっとさすり)

注射の液がこう来て

(脚を触りながら)

ココらへんが痛くなった!!

 

と言うので、麦は

ソコからソウ来てソウはならないでしょ🤣

なんて言って、笑っていたのです。

 

現在、麦の接種から、6時間ほどが過ぎました。

針の穴から注射の液がこう来て、こう通って…太ももの裏側、膝の少し上(左寄り)辺りが痛いです。

確かに、液がこう来て、こう通ったような気がする

笑っちゃうけど、そんな気になるもんですね。

 

夫も同じようなことを言っているので、やっぱりこう来てこう通るような気がするみたいです😂

 

 

〈接種センターでの流れ〉

デュッセルドルフの街から近い大規模接種センターは、ブンデスリーガ2部・フォルトゥナデュッセルドルフのホームグラウンドである、立派な競技場です。

ちなみに、フォルトゥナというのはラテン語で幸運とかいう意味ですが、今はどうでも良い。

市街地からは地下鉄で一本、車でも20分位です。

 

麦夫妻は車で向かいました。

もしかしたら最後になるかもしれないので、家を出る前に、息子とハグを交わしました。

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右側のガラス張りが、地下鉄の駅のホームです(ドイツの駅に改札はありません…地下鉄なのに、地上だし)。

左側、赤い車が停まっているのが接種センターの入口です。

駅から出たら、目の前が接種センターの入口。

アクセス抜群です。

駐車場も整備されておりまして、車で接種入口前まで乗りつけることができます。

 

ゲートで予約票を見せて

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誘導係の方の指示に従って進みます。

駐車場はほぼ満車状態でしたが、接種の予約は分単位なので、停められなくなることはないようです。

 

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向こうに見える階段が、接種会場への入口です。

あぁ怖い。

もちろんエレベーターもあります。

 

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中に入ると検温(指定の位置に立つだけ)を済ませて、列に並びます。

写真のようなブースがものすごくたくさんあるので、5分も待ちません。

 

接種センターには書類を用意してから向かうのですが、この書類は2部必要です

1部だけしか用意していないと、ここでもう1部をコピーされます(麦夫妻です…噂には聞いていたのですが、よく分からなかった)。

コピーしてくれたもう1部の方にも記入して、再び同じ窓口に書類を提出します。

身分証も提示します。

 

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接種センターへようこそ

事前準備に合格しますと、書類を紙製のファイルに入れてもらえます。

ドイツって、こういう紙製のファイルみたいなの、多いですね。

2回目まで使うので、このまま保存するようです。

ついでに、アルファベットが大きく2文字書かれた黄色い紙を持たされます。

 

ここからは、もう心の準備もできないまま、流れるように進みます

 

黄色い紙と同じアルファベットが書いてある列に進みます。

どんどん進むので、もう待ち時間はゼロです。

先頭には係の方がいらして、「◯番の部屋」と指示されます。

 

麦夫妻は2人連れ立って接種に向かいましたので、同じ部屋です。

部屋というか、ブースというか。

平時ならサッカーの試合の合間に食べ物や飲み物を買う廊下的な場所に、有事の今は沢山の小部屋が造られています。

 

部屋に入ると、机が2つ。

それぞれの机で、記録係の方と、接種係の方が待ち構えています。

簡単な確認と、簡単な質問があります。

アレルギーは?とか、妊娠してますか?とか。

アレルギーに「花粉」と答えると、多分「あぁ、ソレはいいや」と言われます。

英語でも対応してくださいます。

特に希望を出したわけではないですが、麦夫妻はファイザー社製ワクチンでした。

 

質疑応答もあっという間に終わって、気づけばもう、椅子に座ってお注射されるのを待つばかり。

 

利き腕ではない方にプシューと消毒液をたっぷり吹きかけられて…あんまりたっぷりかけるもんだから、腕を消毒液が流れる…

 

ぷす。

 

全然痛くないのですね!

こんなに痛くない注射は初めてかも!と思ったところで、鈍い痛みが、じんわり。

でもが少ないのか、あっという間に終了。

 

「よくできました💮

 外の椅子に座って、30分経ってから帰ってね」

 

まさかこの歳で、お注射で褒めてもらえるとは❤︎

でも30分って、長い。

周りの様子を伺うと、そこそこで帰る方が多数でした。

 

麦夫妻も腕のダルさを少し感じただけで、スーパーなどに寄りつつ、無事に帰宅いたしました。

 

14歳の息子の接種は、多分するんだろうけど、まだ少し迷っています。

 

針の穴の上に貼られた絆創膏を剥がしたら

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辛うじて枠内

適当な貼っつけ具合いに、笑いました。

 

 

どびたんっ!どびちぃぃ!!

まだ読んでいなかった東野圭吾の本を読みながら、午前中の1人時間を満喫していた麦。

夫は仕事、息子は学校です。

 

あまり(全く)生産的ではなく、かつ知的とも言い難い時間の過ごし方ではありますが、まぁ、良いではないか。

 

麦はほぼ1日中、台所にいます。

麦家はドイツの典型的なアパートに住んでいまして、台所が独立した、ひとつの部屋になっています。

調理台から冷蔵庫から、テーブルと椅子まで台所にあります。

懐かしき昭和の台所的な場所です(設備は新しいですよ…ドイツの割にはね)。

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麦家の台所。ときどき模様替えをする

 

ドイツでも、イマドキのアパートはLDKな造りになっていますが、うちは築70年程の中途半端に古い物件なのです。

 

とにかく、麦は台所に居て、(ハッキリ言うと)無駄な時間を楽しんでおりました。

台所には窓がひとつと、ベランダに出るガラスのドアがあります。

 

本を読んでいると、ベランダから

 

びたんっ!

びちぃぃ!!

 

不穏な音が聞こえました。

重量を感じる、不吉な響き。

 

な、なに…?

 

窓を見てみると

 

ヒィィッ!

ち、血!?

 

窓ガラスに赤黒いものが飛び散っています!

 

ちょっと前に、麦がお遊びで窓に落書きなんてしたもんだから、なんだか異様な光景ができてしまった!

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楳図かずお・洗礼

向こうに見えるボロい壁がまた!怖い!!

 

ベランダに出てどびたん!の原因を確認すると、どうやら紫色の木の実を食べた大きな鳥のフンだということがわかりました。

 

なーんだ、タダのフンか!

 

怖いものじゃなくて安心しました。

でも、窓枠と窓ガラスに飛び散ってこびりついたこの紫色、どうしてくれよう。

 

〈中学生の悟り〉面白い髪型して来よ!と約束した日

麦が大阪の中学生だった、ある日。

 

何がどうなってそういう流れになったのか全く覚えていませんが、仲良しの友人数名と

 

明日、なんか面白い髪型して来よ!

 

と約束しました。

 

さて、どんな髪型にして行くかなー?♬

麦はワクワクしながら考えました。

当時の麦の髪の毛は、耳下ボブ。

その条件で考えると…

 

ミスターベーター❣️

触りの部分だけでもご覧頂けますと、後の話が分かりやすくなるかと思います

 

当時は、ダウンタウンのごっつええ感じの全盛期。

ごっつええ感じのコントの中でも、ミスターベーターは特に大人気でした。

みんなベーター大好き!

 

約束の日。

麦は耳下ボブを大きく、丁寧に内巻きにし、心の中までベーターとなって登校したのでした。

 

教室の前まで来ました。

中から、すでに登校している仲良しの友人たちの声が聞こえます。

 

みんな、どんな髪型にして来たのかな?

 

とても楽しみですが、麦はその時、心の中までベーターです。

 

廊下と教室を仕切る窓を

コンコンコンコンッ!

と叩き(ベーターはそうする)、

 

んなぁ!

と言いながら入室(ベーターはそうする)。

 

ガッコー行かなアカンのやわ(ベーターはそう言う)

 

コレをこう着てナ(ベーターはそう言うのだ)

 

と言いながら制服のブレザーを前後ろに着て、

 

ドンタッタッタ、ドンタッタッタ…

 

までやりました(ベーターはいつもそれをさせられる)。

 

ドヤッ!

 

ベーターの必要事項を全てやり遂げた清々しい顔で、麦は友人たちの反応を見ました!

 

友人たちは

内巻きめっちゃかわいいや〜ん❤︎

と褒めてくれました。

 

エ?

渾身のベーターは??

 

まさかの、誰もベーターに気づいていない!!

 

ベーターから麦に戻り、冷静になって友人たちを見てみると…

巻き髪、つるつるストレート、ツインテール!

みんなカワイイ髪型やないかいっ!!

 

裏切り!

 

面白い髪型って言ったのに、みんなはカワイイ髪型になってる!

麦だけ律儀に面白い髪型になってる!!

 

私、ベーターやねんけど…

 

大阪人が最もしたくない、ボケの説明をするハメになった、間抜けな麦!

屈辱です。

 

あっ!ホンマや!!

 

説明を聞いて、やっと気づいてくれた友人たち。

 

それでかー!!

 

窓をコンコンからの一連の作業にも、やっと納得してくれた友人たち。

 

中学生の麦は悟りました。

 

女は裏切る。

 

そして、張り切り過ぎは恥ずかしい。