〈ドイツで危機管理〉ヤク中の人と同席事件 〜飲食店に関しての注意〜
日々、外国で暮らしているという意識と緊張感を持って、出歩いております。
危険を察知するセンサーの感度を高める。
怪しい人には近づかない。
怪しい物にも近づかない。
怪しい場所にも近づかない。
しかし
マクドナルドで昼飯食ってたらいつの間にかヤク中の人に同席される
パターンは、麦の危機管理マニュアルからはウッカリ外れていました。
全然関係ないけれど、スペインのマクドナルドにはガスパチョがあるのね
〈!?〉
麦家の人間3人は、昼間のマクドナルドでゴハンを食べることになりました。
外の涼しい風で冷えた身体を、座席に降り注ぐ陽射しがポカポカと温めます。
ダブルチリチーズバーガー、フィレオフィッシュ、チキンナゲット、ポテト、コカコーラゼロ。
いつもと同じものを、いつもと同じように、いただく。
平和なお昼ご飯の始まりでした。
麦がチキンナゲット1個とフィレオフィッシュを一口食べたとき、ソファ席の麦の隣に、1人の男性が座りました。
完全に、麦家の昼食に参加のポジションです。
!?
めっちゃ近い。めっちゃデカい。めっちゃラリってる。
身長は185センチはあるでしょう。すごく屈強そうな体格です。
目は血走り、ヨダレは垂れ、ふらふらです。
ヤク中オブヤク中、まるでお見本のようなヤク中の人です。
店内は空いており、少し離れた席にお兄さん1人、その近くに老夫婦1組。
彼らもふらりと現れた客人を黙って注視しています。
ふらりと現れた客人は、何か息子に話しかけています。
が、呂律がまわっていないので、何を言いたいのかがサッパリわかりません。
息子はドン引きしつつも一応、客人が言いたいことを理解しようと努めました。
な、なに?と質問もしていましたが、やっぱり何を言いたいのかわかりません。
客人は、まだ夫が1個、麦が1個しか食べていないチキンナゲットを触りました。
オゥ…
チキンナゲットは取りませんでしたが、客人の手はチキンナゲットのように麦のマスタードソースの中を通過しました。
オゥ……
客人はチキンナゲットを食べたいのか?と思った麦は、とりあえず客人にチキンナゲットを1つ渡しました。
それ食べたら帰ってくれないかしら、と思ったのです。
帰りませんでした。
食べ物をくれと言うでもなく、お金をくれと言うでもない。
とりあえず、麦は客人の手についたマスタードソースを紙で拭きました。
気になったのです。
客人は夫に何か言いましたが、
オタクの奥さん◯×▲◽︎……
辛うじて聞き取れるのはこれだけです。
夫は、客人の目をじっくりと見つめながら、穏やかに「あなたの話を聞くよ」という姿勢を見せています。
家族を守らねば、という意気込みを感じます。
客人は自分の大きな手の平にのったチキンナゲットを
おぉおれはなんでこんなものもってんだ
というような表情で見つめ、口に入れました。
少し噛んで、咀嚼後のチキンナゲットを我々に見せつつ、そのままべろべろぉと出してしまいそうだったので、麦は汚ねぇなと思い
ナイン、ナイン!(No, no!!)
と言いました。
老夫婦の夫の方が、こちらにずっと注目しています。しかし、動きません。
お兄さんも注視しているのみ。誰も動きません。
こんなにも張りつめた白昼のマクドナルド。
客人はその行動を繰り返します。
無視するには親密すぎる距離感。
出したり引っ込めたり…、おまえは牛かっ!
なんて言う空気でもないし、言ったところで、ラリってるので通じるとは思えません。
麦家は日本語で、どうすんねん、どうしたらいいの、とボソボソ言い合います。
タイミングを見計らって、夫が店員さんにサインを出しました。
店員さんと目を合わせ、さりげなく、こっそりと、客人を指さします。
麦も、客人の視線が逸れたときに、店員さんに追加のヘルプサインを出します。
ついに店員さんが来ました。
店員さんは客人に
出て行って頂けますか。
と言いました。
ストレート!逆上したらどうすンの?
麦は思いましたが、店員さんは
出て行かないなら、警察を呼びますよ。
追い討ちをかけます。
そのタイミングで、向こうに座っていたお兄さんが
立って、離れて。
と我々に言いました。
我々は荷物をかかえ、ごっそり食べ物が残ったトレイを持ち、ソソクサと席を立ちました。
お兄さんもこちらの方まで来てくれたので
ありがとうございます🥺
と麦が言うと、お兄さんはぽんぽんと麦の腕をたたき、労ってくれました。
店員さんは、警察に電話をかけていました。
〈どうすればよかったの?〉
客人が現れてからも、我々は暗黙のうちに、できるだけ普通に対応することを選択しました。
騒がず、追い出さず、逃げ出さず。
もし、屈強な客人が暴れたりしたら、一発で麦家壊滅です。
客人が刃物や拳銃を持っているかもしれません。
麦家も、お兄さんや老夫婦も、それを思って静かに注視する時間を取ったのでしょう。
幸いなことに、今回の客人は、悪い人な感じではありませんでした。
しかし、凶悪な客人が訪れるパターンも想定されます。
一体どうすりゃいいってゆーの。
〈飲食店に関する注意点〉
今回のヤク中の人と同席事件で、麦が学んだことは
①飲食店の立地に注意
②飲食店の中の席選びに注意
の2つです。
①飲食店の立地に注意
今回の事件が起こったのは、デュッセルドルフ中央駅からほど近い、Berliner Allee のマクドナルドです。
デュッセルドルフは、平和な街だと思います。
それでもやっぱり、ヨーロッパでは中央駅の周りはもれなくキケンの法則に例外はないのか。
デュッセルドルフでも、中央駅の周りにはヤバいオーラ漂わせた人たちは、たくさんいらっしゃいます。
ヤク中の人も、よくお見受けします。
このマクドナルド付近も、よく見れば昼間でも、なかなか危ない感じがあります。
そういえば、麦家が引っ越して来てからも、このマクドナルドの前で殺人事件が発生していたような記憶があります。
そういう立地のお店に滞在する時間をとる、というのは、リスクを高めますね💡
このマクドナルド、いつもは大丈夫なのですよ。
古い建物にある店舗で、内装もなかなか美しいです。
怪しい人がいたりはするけれど、絡まれたことはなかったし。
違うマクド行けばよかった。
②飲食店の中の席選びに注意
麦家は、陽当たりが良いという理由で、出入り口のすぐ横の席に座っていました。
これは良くなかったかも。
ふらふらの客人が入店してすぐ、着席できちゃいますからね。
かといって、奥の席だと、何かが発生したときに逃げ遅れる可能性もある…
難しい。
とりあえず、マトモそうな人の近くに座る?
ファストフード店なら、レジから見える位置に座る?
今回の客人のような場合、ものすごくマイペースに行動なさいます。
もぅどこに座ってても来るときゃ来るのでは、と思わないでもない。
ふらぁ、と来て、どさぁ、と座りましたから。
しかし、ソソクサと退散した我々の中でただ1人、息子は自分のダブルチリチーズバーガーとコーラをしっかりと両手に持って避難していました。
それくらいのタフネスは、必要ですね。