麦のおもらし

ドイツで細々と生きるズボラ主婦がもらす、インテリアや収納やなんやかんや

〈辻仁成ブログ「 フランスで差別された時の対処法」を読んだ!②〉差別の向こう側にある怖さ 〜日韓の軋轢に平成生まれがドイツでトバッチリ〜

辻仁成氏って、作家の時は、つじ ひとなり

ミュージシャンの時は、つじ じんせい と読ませることは広く知られていると思うのですが…

 

作家の時の つじ のしんにょうの点が2つで、

ミュージシャンの時の つじ のしんにょうの点は1つだって、ご存知でしたか?

 

前回の続きです。

omorashilife.hatenablog.com

 

 

〈ドイツで〉

麦家が暮らすデュッセルドルフには、日本人がたーくさん暮らしています。

 

ドイツの都会には、それはもぅありとあらゆる国にルーツを持つ人々が暮らしています。

 

デュッセルドルフもドイツの中では都会の方なので、(ドイツ人から見れば)外人だらけ。

色んな外見の人を見慣れています。

見慣れていると、やはり差別は起きにくいようですね💡

 

レストランで何かを食べていても、お店で物を選んでいても、視線を感じることもありません

じろじろ見られるのは、ちょっと気になりますものね。

 

一度、ものすごく自分への視線を感じる日がありました。今日は一体どうしたのだろうかと、自分の身なりを改めて確認しましたところ、麦は笑ゥせぇるすまんの漫画が一面にプリントされたTシャツを着ておりました。納得しました。

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前身頃

 

地域的な特色もあります。

ドイツでは、右派が躍進している地域でアジア人(他の国の人も)がぽけーと歩き回ると、ちょっと危ないかもしれません。差別くらいで済んだらラッキーだったりして。

選挙でその地域をとった政党がどこだったかを把握しておくことは、結構重要かもしれません。

 

差別され得る機会を積極的に減らすことも大切でしょう。

これは、危ない場所やヤバそうな人には近づかないという、日常の危機管理がそのまま適用出来そうです。

ただし、危機管理をしていても、突然アチラから飛び込んでくるケースもありましたね。

omorashilife.hatenablog.com

 

それでも、自分がアジア人であることを、常に意識し過ぎることなく暮らすことができるドイツ。

私はワタシ、と思っていられるドイツ。

 

ドイツは、差別に関してはマシな方だと、麦は思っています。

 

〈麦家の鬼門はベルギー〉

麦がこれまでに訪れたヨーロッパの国は、多分13か国。

その中で、ブッチギリで不快な思いをする国…それは、ベルギー

 

偶然かもしれません。タイミングが悪かっただけかもしれません。

しかし、やっぱりブッチギリなのです。

 

大人には、軽んじた扱いを受けます。

若者(集団)にも、あからさまにバカにされます。

鈍感な麦が気付くくらいなのですから、よっぽどのことです。

 

その中でも麦が震えたのは、お母さんと一緒にいた小さな子ども(5歳くらいか?)が、明らかにアジア人である我々を侮辱した時です。

 

夫は手加減せず、大人に向かってするのと同じようにその子どもをギロリ👁と睨みつけました。

お母さんはとても慌てて、子どもを叱っていました。

 

ベルギーは、美味しいし、オシャレだし、パリみたいに広すぎなくて、とても好きなのです。

でも行くのには、少しの覚悟とエネルギーが必要。

国境付近はまだイイのだけれど、ブリュッセルは…キッツイわー。

 

〈差別の向こう側にある怖さ〉

大人が小バカにしてくる事には、ムッとする程度で心は乱されないのですが、子どもがあからさまな差別をする場面を見てしまった時。

麦は暗澹たる気持ちになります。

 

ベルギーのクソガキ(悪い言葉で失礼…ちなみに女児)もそうですが、生まれた時から

こういう見た目の人は偉い、こういう人たちはバカにして良し

とか、思っていたわけではないのですよね(当然)。

 

ということは、だったり、環境だったりが、「アジア人をバカにしましょう」ということを彼女に伝えてきたわけです。(女児の母親、慌ててる場合ぢゃないぞ)

 

お寺の前に貼ってある標語みたいなやつで、「子は親の言うようには育たない、親のするように育つ」みたいなのを見たことがありますが、ソレです。💡

 

たくさんの大人が、知らないうちに自然と身につけた差別が、子どもにしっかりと受け継がれている。

その大人たちも、生まれた瞬間には差別なんてしていなかったわけで…

 

「今、目に見える形で存在する差別」の向こう側にある、そういう負の連鎖こそが、麦はとても恐ろしいのです。

 

目の前の差別は、された方が気にしなけりゃ終わりですが、その出発点と行く先に思いを巡らせたとき。

太刀打ちできない大きな物に直面して、諦めたような、がっかりしたような、そんな気持ちになるのです。

 

〈アジアから出て直面する、アジア内の軋轢〉

差別というのは、違う人種間、違う性的嗜好を持つ人の間なんかで発生しやすいようですが、同じ人種間でも発生しますね。

そして、同じ人種間の差別の方が、根深い

 

息子はドイツの現地校に通っております。

学校には、まだドイツ語が達者でない子どもたちが集まって受けるドイツ語訓練クラスがあります。

最近まで、それぞれの母国で育ってきた子どもたちが集合します。

 

息子の学年は、日本、中国、韓国から各1名ずつが参加しました。

日本の1名の母である麦は、危険な予感がしました。

 

そしてその予感は、想像以上の形で現実のものとなりました。

 

 

今日授業中に大ゲンカしてきたヨ

先生にめっちゃ怒られたわ

 

ある日息子がいったので、理由を聞きますと

 

授業中に◯◯(韓国の1名)がわざわざスマホに慰安婦の画像出してさ、オレに見せながら

日本人はムリやり韓国人をせっくすしたーー!!!

って言ってきたんだよ。

オレも色々言ってやりたかったけど、ドイツ語じゃうまく言えないし、とりあえずムカつくから、殴り合いになったよね

 

………色々とヒドいです。

そりゃあ殴り合いにもなります。

 

(麦家では、慰安婦問題については、息子にお伝え済みです。

日本はこう考えている、韓国ではこう考えられているらしい。

日本の記録ではこうなっているらしい。韓国の人はこう言っている。

国際法的?には解決しているけれど、韓国の気持ちは解決していないらしい。

しかし、麦はもちろん戦後生まれであるので、何が本当のことかはわからない。実際に見たわけじゃないし。

という感じで、日韓双方の思惑と現実を、麦家なりに率直にお伝えしてきたつもり…)

 

オレに言われてもね。

 

息子、平成生まれですしね。

ドイツ育ちの韓国人の友人も、息子には何人かおりますが、その子たちとは仲良くやっているのです。

 

しかし、韓国育ちのその彼は、息子が日本人であるという理由で攻撃の手を緩めません。

中国からのもう1名も、何かと歴史問題に絡めて味方につけようとしている様子。

 

韓国育ちの彼はある日、ついに息子の万年筆(学校ではみんな万年筆を使うのだ🖋)をワザと床に落として壊します。

 

どうやら、日本人相手なら何を言っても、何をやってもいいと思っている様子。

 

麦は、韓国育ちの彼が背負わされている負の連鎖に思いを馳せました。

 

彼が今息子にしている数々の仕打ちも、環境や教育が基になっているのだろうなぁ…彼のご両親もまた、そういう環境で教育を受けたわけで…

 

はぁぁ。ため息。

いや、韓国から見たら、全然負の連鎖ではなくて、真っ当に、当然のことを子どもたちに伝え続けているのだろうけど…

 

いつまでも続く嫌がらせに、呑気な息子もさすがに困っていました。

 

日本が何を考えていようが、韓国がどう思っていようが、それぞれの環境がどんなだろうが、息子が受けているのは正にヘイトそのものです。

放っておくわけにはいきませんでした。

 

…気が進みませんが、親が学校に相談するしかなさそうです。

しかし、ヨーロッパからは遠いどっかの国である日本と韓国の問題を、どうやってドイツ人の先生に説明する…??

 

つづく☆

 

ドイツ語訓練クラスでこんなややこしいやり取りができるなんて!

人間、特に子どもって、なんとか意思疎通しようと思うと、どうにか出来るもんなのですね😀

 

最後に、麦はこのブログで慰安婦問題について話したいわけではないということを、付け加えさせていただきます。

日本がどうとか、韓国がどうとか言いたいわけでもありません。