〈犬のお腹って〉おはなさんのタミー
うちの犬、名前はおはな。
キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルのメス、8歳です。
カバンに書いたOHNの文字は、おはなの意
麦はその日、いつも通り、おはなさんがそこに居る喜びを感じながら、その姿を目を細めて愛でておりました。
あぁかわいいなぁ。
目も鼻も臭い耳も口も、手も足もこめかみもかわいいなぁ。
タミちゃま(tummy タミー…英語の幼児語でお腹とかぽんぽんとかいう意味の言葉。麦家はおはなさんの腹部をタミちゃまと呼んでいます)もかわいいなぁ。
そして、ふと、あることに気がつきました。
気がつきましたので、気がついたことをそのまま、夫に言いました。
「なぁなぁ、おはさんのタミちゃま、きん◯まみたいじゃない?」
夫はおはさんのタミちゃまをじぃっと見て、感心したように答えました。
じぃっと見る
「ホンマや、きんた◯みたいやなぁ!」
しばらくして、夫がおはなさんを呼びました。
「きんちゃーん💕」
それを聞いた麦は、しまった、自分はいらん事を言ってしまったようだと思いました。
「きんちゃんは、やめてあげてくれる?」
と麦が言いますと、夫は無邪気な瞳で麦を見て
「あっ、たまちゃんの方が良かった?」
と答えました。
思い出しました。
息子が赤ん坊だったころ。
「赤ちゃんてさー、ないてたべて寝て、虫みたいやな。」と麦が言いましたら、
夫は感心したように「ホンマやなぁ、虫みたいやなぁ!」と答えました。
数時間後、夫がベビーベッドの息子に向かって
「ムッく〜ん💕」と呼びかけました(息子の名前にムの字は入っていない)。
虫の話などすっかり忘れていた麦は、
「ムッくんて何?」と質問しました。
夫は無邪気な瞳で麦を見て「虫さんのムッくんに決まってるやんか〜❤︎」と言いました。
その時も、しまった、自分はいらん事を言ってしまったようだと思ったはずなのに、時を経て再び繰り返してしまったようです。
夫はきん◯まがよっぽど気に入った様子で、
「おはなちゃんのタミちゃまはきんた◯ですねー❤︎」
「おはちゃんのタミちゃまは何かに似てる、あ、きん◯まか❤︎」
「きんちゃん❤︎」
ときん◯まを連発しています。
しつこいなーと思いながらも、自分に責任があるので
「きん◯まちがうよ」
「きんちゃんではなく、おはちゃんです」
などと、一応答えておりました。
夜も深まり、寝る支度も整い、ベッドに入る時間になりました。
はぁー寝れる寝れる、うとうと…麦の目が閉じかけたとき…
「なぁなぁ、水道橋博士の相方って、なんてゆー名前やったっけ??」
夫が嬉々としてたずねてきました。
麦は
「玉袋筋太郎やで。
NHKに出るときは知恵袋賢太郎にされたらしいで。
もう黙ってもらえる?」
と答えて、これからは自分の発する言葉にもっと注意しよう、と強く思ったのでした。