麦のおもらし

ドイツで細々と生きるズボラ主婦がもらす、インテリアや収納やなんやかんや

〈外国語を学ぶための漫画の選び方!〉「恋は雨上がりのように」がオススメな理由

今では公立の学校に通う小学生から、タダで英語を学ばせてもらえるわけですよ。しかも(多分)しっかり練られたカリキュラムで。

今では40歳の麦ですら、中学から学校で英語を学んだはずなのです。高校まで6年間、しっかりと。

 

にも関わらず。

大人になった今の麦の英語がイマイチなのは、一体どうしたことでしょうね。

 

そんな大人は、麦に限らず、たくさんいらっしゃることかと思います。

 

今を生きるいい歳した大人たちは、義務教育だけでも3年、高校も入れたら6年も英語を習得するための時間があったわけです。

なんという時間的ゆとり、なんというゆるやかさ!!

 

それでも、できないものはしょーがない。

 

大人になってから外国語(どこの言葉でも)を習得しなければならないこともあります。

これは必要に迫られているケースが多いように思います(仕事で使うとか)。

可及的速やかに通じる言葉を習得する必要があるという状況です。

カタカナ読みでもなんでも良いので、とにかく通じればそれでヨシ

 

大人ですから、仕事もあるし、なんやかんやとやる事もあるし、学習に使える時間が少ないのです。

仕事とかなんやかんやで、学習に使えるエナジーも少ないのです。

 

そこで、大人たちは考えるワケです。

「ラクして楽しく早く外国語が身につく方法って、ないかな〜?」ってね。

 

まず我々が思い付く方法は、「映画を観る」です。

字幕付きで何度か観て、次は字幕を隠して…みたいな感じでしょうか。

 

しかし、映画を観るのが好きではない人もいます。

麦もその1人です。2時間以上も画面を見続けるのは、辛い。ついでに、大きな音も、恐い。

 

麦は映画を観るのは苦手だけれど、本を読むのは好きです。

しかし、いきなり外国語の小説を読むのはハードルが高すぎる。

 

そこで、

「そうだ!漫画を読めばいいんだ!!」

と考えました。

もちろん(?)日本の漫画です。

 

今、麦が身につけたいのは、ドイツ語です。

 

ドイツでは、沢山の日本の漫画がドイツ語に翻訳され、毎月じゃんじゃん新刊が発行されます。

例えば英語なら、もっとじゃんじゃん発行されていることでしょう。

 

ドイツでも、漫画はMangaです。

マンガ、で通じます。

複数形は、Mangasです。

 

〈とにかくマンガを読んでみよう〉

というわけで、マンガをいくつか購入してみました。麦はマンガ大好きです。

 

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どやっ!

鋼錬・コナン・デスノートは息子のマンガ

 

日本の漫画喫茶で全巻読んだものから、オンラインの無料試し読みで見て続きが気になったもの、読んだことはないけれど気になっていたものまで色々です。

 

いくつか見ていきましょう。

 

まずは、日本にいた頃息子の習い事を待っている間に漫画喫茶で全巻読んだ(上流階級が集う習い事にうっかり紛れ込んだ庶民麦は、コソコソと漫画喫茶に通っていた)「東京タラレバ娘」

麦は東村アキコ先生の作品が好きです(特に「かくかくしかじか」が好きです)。

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あ〜そうそぅ、ここで主人公がこうしてああ言って、絵だけ見ても笑えるわー♡なんて思い出しつつ…

 

よぉ〜しゃべる!!

登場人物みんな、よぉ喋る!!!

 

字が多い❗️

口語が多い‼️

 

面白いので何度も読み返したいのは山々なのですが、麦のドイツ語能力ではキツいです。

 

というわけで、次。

有賀リエ先生の「パーフェクトワールド」

社会人となり、高校時代の同級生で初恋の人と再会した主人公。初恋の彼は車椅子に乗る建築士になっていて…という、大人の少女漫画。

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少女マンガ!

 

こちらも字が多い

建築、障害、おまけに丁寧な心理描写…言葉が溢れてる!

ストーリー展開は、先を知りたくなる感じだけれど、気になって仕方ないというわけではない。

 

ということは、浦沢直樹先生の「モンスター」もキツいだろう。

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分厚くて重い

だって、主人公のDr. Tenmaは外科医ですからね。

全体の流れもミステリアス、言葉がややこしくなるのは容易に想像できます。

「モンスター」の半分以上は通っている美容院の蔵書(日本語)で読んだのですが、コロナ以降美容院のマンガや雑誌は封印されているので、進まない。悲しい。

 

この「モンスター」、麦家も住んでいるデュッセルドルフから始まるのですよ!

ふらりと麦が犬と散歩する近くの公園、息子が学校帰りに友達とランチする場所なんかもリアルに描写されています。

浦沢直樹作品では、マスターキートンにもデュッセルドルフが舞台の回があります。

 

では、高野苺先生作「オレンジ」はどうでしょうか。

オンラインで、麦は無料で3巻まで読みました。

そして、非常に続きが気になりました。

 

こちらの作品の肝は〈未来からの手紙〉です。

手紙に書いてある文章というのは「型通り」であることが多いので、翻訳しても分かり易いのではないか!?と期待できます。

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みんなかぁーわいぃ❤︎

期待通り、手紙の内容は分かりやすい!辞書を引かなくてもいけそう!

しかも続きが気になる作品展開なので、ページをめくる手が止まりません!!

ただ、過去と未来(現在?)を行きつ戻りつする作品ゆえ、混乱して前のページを読み直したりすることもありました。それでもなんとかドイツ語版で最終巻まで読破。

 

…マンガは、気楽に読みたいわな。

 

〈外国語の勉強に適したマンガに、ついに辿り着く〉

色々読んでみて次に試したのは、眉月じゅん先生作「恋は雨上がりのように」

こちらもオンラインの無料分を卑しくもキッチリ読んで、続きが気になっていたマンガです。

アニメにも映画にもなっていますね。

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この表紙を見ると「レモンスカッシュ」という言葉が思い浮かぶ

 

ついにきました!

コレならイケます!!

 

まず、主人公が寡黙なのでセリフが少ない

 

セリフが少ないと辞書を引く回数も減り、物語に入り込みやすい。

 

セリフは少ないのですが、絵が饒舌に登場人物たちの状況や気持ちを物語っており、全体のストーリーを理解しやすい

 

登場人物の年齢層が若者から中年まで様々なので、感情移入がし易い(読み終えてから、麦は自分が主人公が恋する相手の中年男性の視点でいたことに気づき愕然とした)。

 

そして、大文字と小文字が区別された文体で表記されている

これは出版社の方針によるものなのか、作品の特性によるものなのか、わかりません。

 

アメコミの吹き出し💬を見ると、だいたいセリフの全部が大文字で書かれています。

コッテコテの日本人の麦からすると、全部大文字だと、なんだかカクカクして読みにくいのです。

 

大文字・小文字の区別というのは、その言語の初心者🔰にとっては地味に重要です。

英語なら、大文字で始まれば固有名詞だと判別できます(Japan とかTokyo とか)。

ドイツ語なら、大文字で始まれば名詞です(ドイツ語の名詞は大文字で書き始めます)。

 

初心者には、小さなヒントも大きな助けになります。

 

 

〈外国語を学ぶための漫画の選び方〉

色々読み比べてみて、麦は今のところ、次の3つを「外国語を学ぶための漫画の条件」に選定いたしました。

 

☆続きが気になる

☆主人公が寡黙

☆大文字と小文字が区別されている

 

続きが気になれば、どんどん先を読もうという気持ちが生まれます。

 

主人公が寡黙でなければ、ページは字で埋め尽くされ、辞書と首っぴきになります。もはやマンガを読んでいるのか、辞書を読んでいるのかわかりません

主人公が寡黙な漫画って、あんまりないような気もするけど…。

 

全て大文字で書かれていても、理解はできます。でも、大文字と小文字に分けて書かれていると、パッと見た時の(脳みその中での)情報の処理がスムーズです。

情報が入りやすいので、登場人物の気持ちなどを想像する余裕が生まれます。ということは、言葉の勉強だけでなく、物語を楽しむチャンスが生まれます。

 

…とは言っても、「恋は雨上がりのように」を読んで麦が書いた単語カードは

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激しく散らかる机の上

これ位あります。

でも、読み進めるのが楽しかったので、苦ではなかった。

もちろん全部覚えたわけではないのですが、確実に語彙は(わずかながら)増えました。

 

この条件でいくと、山本祟一郎先生による「からかい上手の高木さん」あたりが次に読む候補作となります(翻訳されて、ドイツの本屋さんでも売っています)。

 

マンガでも外国語は学べます!

 

ただし、外国語は聞けて話せてナンボなので、やっぱり映画の方が手っ取り早いなぁ〜…と思うのでした。