〈マヨルカ島の鍾乳洞〉大好物の穴もぐり 〜ドラック洞窟〜
麦はインテリアが大好物です。
大好物のインテリアと同じくらい、いやもしかしたらそれ以上に好きかもしれないもの…
それは、穴です。洞窟。
ただの穴でもいいですが、鍾乳洞ならなお良いです。
〈ドラック洞窟 Cuevas Drach〉
旅のお供、旅のバイブル地球の歩き方にさえ、マヨルカ島の情報は少ない。
軽くこけるほど、少ない。
少ないながらも、ドラック洞窟のことは載っています。
それだけスゴい見どころ…なのか、他に載せるような場所がなかったのかはわかりませんが、とにかくちゃんと書いてある。
旅のバイブルとドラック洞窟のパンフレット
ドラック洞窟、マヨルカ島最大の鍾乳洞らしいです。
こりゃ行かねばならん。
ドラック洞窟が、麦家の旅のプランに、一番に加わりました。
〈穴の思い出〉
小学生の頃に沖縄の玉泉洞に行って以来、鍾乳洞が大好きになった麦。
大人になり、行動範囲が広がると、穴を求めて出かけるようになりました。
北九州にある、千仏鍾乳洞に行った時のことです。
若者だった麦は到着前からワクテカ✨、穴を存分に楽しむゾ、と気合いたっぷり。
季節は夏。
連れは、当時の交際相手です。
千仏鍾乳洞は、途中から水の中を歩いて行きます。
突き当たりまで行って、戻ってくる。
なんとエキサイティング。鳥肌もんです。
鍾乳洞の中は、夏は涼しく、冬は暖かい。
途中からジャブジャブと歩く水は、足首までの深さとはいえ、夏でも結構冷たい。
鍾乳洞の中の水の中を歩くなんて……!
陶酔と高揚のあいだを行ったり来たりする心を持て余しながら、麦はジャブジャブ進みました。
そのとき
グァっっ!!
当時の交際相手が崩れました。
あ、足っ!アシつった!!
水温が低かったのでしょう。
洞窟で貸してくれるサンダルも、足に合わなかったのでしょう。
こんな大事な時に、めんどくさいな。
と、思った記憶があります。
そこから先は、鍾乳洞に忙しくてよく覚えていないのですが、当時の交際相手いわく
じゃ、水の入り口のとこまで戻って待っといて。
私行ってくるから。
と麦は言い捨て、振り返りもせずにジャブジャブと奥へ歩いて行ったそうです。
そういう人なんやな、と思った。
と後で言われました。
〈ドラック洞窟の場所と行き方〉
さて、ドラック洞窟は東の端っこの方にあります。
ホラね
パルマ駅地下のバス乗り場から、洞窟の前まで行くバスが1日4便出ているようです。日曜は2便。
少ない。
近くの町までバスで行って、15分ほど歩く方法もあるようです。
バス移動の所要時間は1時間15分ほどだそうです。
マヨルカ島の広さを侮ってはいけません。
沖縄本島の3倍もデカいし、そもそもマヨルカって、スペイン語で「大きい」って意味らしいですよ。
各ビーチタウンから、半日ツアーみたいなのも出ているようです。
気楽ではあるけれど、きっとマヨルカパールセンターみたいなとこ(みやげ物屋?)にも連れて行かれるのではないかしら。
…と、全部他人事のように書いてあるのは、
麦家がレンタカーで行ったからです。
夫はいらち(せっかち)なので、旅先の限られた時間の中でバスを待つなんてとんでもない、と考えているのです。
パールセンターなんて、もってのほかです。
車でドラック洞窟に向かうと、ドラック洞窟に着く寸前にもう一つ別の観光鍾乳洞がありますので、ご自分の目的地を見失わないようご注意ください。
麦家はしっかり間違えて、別の鍾乳洞の駐車場に入りました。
機会があれば、次回にでも、是非そちらの穴にも入ってみたいと思います。
〈入場時間を予約しておくといい〉
ドラック洞窟は、時間指定の見学ツアー式になっています。
1時間ごとに入場できる仕組み。
チケットは前もってネットで予約購入できます。
この予約券をプリントして持って行った
ちゃんと穴は2個あるので注意!と書いてある
ネットで予約すると、€1 割引。
12歳まではお子様料金です。
麦家は観光ハイシーズンに訪れましたので、
11:00からのツアーが終わる頃には、13:00の回まで満員でした。
混む時期は、予約しておいた方がいいかと思います。
〈やっと穴に入る〉
なんだかここまでが長くなっておりますが、いよいよ入洞です。
サンダルで行く、上着もいらなーい!という夫と息子。
穴ナメんなよ、と麦はパーカを持ち、スニーカーを履いて準備万端でしたが、サンダルでよかったし、パーカーもいらなかった。
同じ時間に入洞予定の同志たちと、列に並んで待ちます。
同志が多すぎて、本気で同時に全員入洞可なのか不安になりますが、大丈夫。
懐の深い穴は、同志たちをスムーズに内側へ受け入れてくれます。
同志たちは、1人残らず飲み込まれて行きます。
スゴい!白い鍾乳石がキレイ!!
細いのが天井からビッシリ!!
興奮した母は、子を押しのけて写真におさまる
洞内のフラッシュ撮影は禁止です。
ツアーガイドのような人はいません。
同志たちはただ、ぞろぞろと穴の中を歩きます。
ぎゃー❤︎うわぁぁ❤︎❤︎パシャパシャ(写真を撮る音)と進んで行くと…
同志たちは自然に、天井の高い、広い空間へ集められます。
全員が座れるだけの椅子が、ホールのように並べられています。
前面は地底湖。
5か国語ほどで、これから始まるショーの間は撮影禁止だと係の人が言いました。たぶん。
撮影禁止なので、ショーの写真はありません。
液晶の光は、ムードを壊しますものね。
真っ暗になり、フガァー♩と音楽が聞こえはじめます。
音楽を奏でる人たち(5、6人)を乗せた小舟が、地底湖の水面を滑って来ました。
オルガンみたいなのまで乗っています。
同志たちは、音楽に耳を傾けます。
撮影禁止だし、真っ暗だし、傾けるしかありません。
小舟は同志たちの注目を浴びながら、音楽を奏でながら、止まることなく通過して行きます。
通過して行って、同志たちからは見えない場所でしばらく止まります。
音楽は奏でっぱなしです。
そして、また戻って来ます。
なんやねん
と思ったのは、麦家だけではないでしょう。
おまけに、あんまり上手じゃない。
それでも、演奏が終わると、
ぶらぼー!
と大声で言ってくれる、優しい同志がいます。
息子は困惑した表情で、
なんだったの、コレ…
とつぶやいていました。
ショーが終わると、見学ツアーもいよいよおしまい。
音楽団のように、小舟に乗って出口へ向かうことが出来ます。
船に乗ることを選んだ同志たち
素敵な趣向ですが、ほんのちょっとの距離です。
地底湖の上には道が作ってあり、小舟に乗る順番待ち(同志の数に対し、小舟が少ない)をしたくない場合は、そちらを歩いて出口に向かいます。
名残惜しいけれど、洞窟探検はお終いです。
かかる時間は、入洞後45分間ほどです。
麦が個人的に思うに、ショーは、余計かな。