麦のおもらし

ドイツで細々と生きるズボラ主婦がもらす、インテリアや収納やなんやかんや

〈完っっ全に想定外〉ドイツの移動遊園地の…乗りもの?

☆謎のアトラクションのネタばれ注意☆

 

移動遊園地、キルメス。

ライン川の河川敷にキルメスが来たら、夏休みが始まるぞー!という感じ。

キルメスも楽しみ、夏休みも楽しみ、ダブルでワクワク☆

 

去年はキャンセルになり、今年もキャンセルという話になっているようで残念ですが、それはさておき…

 

キルメスには色んな乗り物があります。

ジェットコースター、ゴーカート、急流滑りにお化け屋敷…普通の遊園地にも負けないほどのラインナップ。

 

そのほとんどは、外から見ればどんな乗りもの…もしくはアトラクション?なのか解ります。

 

例えばこれは

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ジェットコースターですね。

穴から出てくる辺り、ヤバそうな感じがします。

夫と息子が乗りました。

中は真っ暗だったそうです。

 

こちらは

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どう見てもお化け屋敷。

係の方のメイクが気合入ってます。

手に持ったリアルなオモチャの包丁で脅かしてくださったりもします。

 

では、これは…

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ダヴィンチ?

…何だコレは。

 

券売所付近に設置されたモニターには、壁際で驚く人が映っていました。

一体どんな乗りもの…アトラクション…なのか?

想像もつきません。

乗りもの系なのか、歩いて体験系なのか?

それすらも分かりませんが、とにかく何かに驚くらしい。

 

いい歳してキルメスでテンション上げ上げ⤴︎になっちゃっていた麦は、とりあえず息子と入ってみることにしました。

 

上の写真はアトラクション内部に向かう、動く歩道…ムービングウォークっちゅーの?平べったいエスカレーターに乗っているところ。

スタンプで隠れていますが、麦はお恥ずかしいほどワクワクしたいい顔をしています。

 

平べったいエスカレーターを降りると、いよいよ外からは見えなかった内部に入ります。

息子と麦は、ゴキゲンに夫に手を振ってから進みました。

 

さて、壁で隠された内部に入りますと、そこには上に上がる階段

上がる他に道はないので、上がります。

 

次に現れたのは、また階段

やはり上るしかないので、上ります。

 

何のお楽しみもなく階段を上り続けると、やっと何かが始まりそうな所に到着しました。

 

何らかの部屋に入るような、無機質な扉があります。

扉の前には、係の方が立っています。

 

息子と麦、他10名ほどが扉の前に集合しました。

扉の中の何かが稼働中の気配が漂っています。

音とか、振動とか。

 

稼働中の気配はやがて停止の気配へと変わり、そして完全に停止しました。

先客たちが退場する気配があります。

 

アトラクション退出時に予想される

うわぁー!

すごかったぁー!!

ビビったねぇー!!!

みたいなガヤガヤがなく、やけに静かなのが気がかりです。

 

何なんだ、コレは。

 

動揺する麦に、係の方が無表情で「入れ」の合図を出しました。

1日中、何日も続けて「入れ」の合図を出していらっしゃるのでしょうから、そりゃ無表情にもなります。

 

麦は息子を伴い、おとなしく入場しました。

入場した瞬間、分かりました。

 

コレは洗濯機だ…!

 

10名ほどの大人や子どもたちと息子と麦は、無機質な扉から巨大な洗濯槽の中に入ってしまったのです。

 

今わかっても、もう遅い。

 

無表情なアナウンスが、我々に

「背中を壁にくっつけて立て」

と指示します。

 

指示通りにしないと大惨事になることは目に見えているので、おとなしく壁にくっつきます。

 

まな板の鯉、洗濯槽の麦。

 

乗りもの…アトラクション…というよりは装置と呼びたいソレが、ついに動き出しました!

 

グォォン グォォン…

装置が回り始めます。

 

びっくりハウスなら回るのは周りの景色ですが、この装置の中では人間たちも回ります(キルメスにはびっくりハウスみたいなのもありますよ)。

 

装置は回転速度をぐんぐん速め、麦と息子他10名ほどは壁にピッタリとくっつきました。

 

遠心力🌪

 

装置は容赦なく廻り続けます。

もはや高速です。

 

すると、どうでしょう。

10名ほどの人と息子と麦の足を支えていた床が遠ざかって行くではありませんか!!

 

10名ほどと息子と麦は、完全に脱水中の洗濯物と化しました。

10名ほどと息子と麦は、浮いています

 

正確には浮いてはいないのかもしれないけれど、こんなの初めて。

重力というよりは遠心力によって、かろうじて頭を上にすることを許されている。

 

もちろん途中退出は認められません。

同志たちは全員茫然としながら壁に張り付いています。

 

キルメスの特徴「想像してたより10倍くらい長く動いてくれる」はここでも発揮され、多分同志全員が「もう止めてくれ」と思っているのに、しっかり想像の10倍回り続ける。

 

今回ばかりは、一刻も早く終わって欲しい。

 

ひたすら回り(回され)続け、同志たちが限界を迎えた頃。

やっと回転スピードが落ちて来て、床が上がって来ました。

 

地に足が着くこの感覚、久しぶり。

ホッとします。

 

係の方の「出ろ」の指示に従い、同志たちは退出します。

足取りは覚束ず、言葉も出ません。

言葉は出ませんが、ゲロは出そうです。

 

フラフラと階段を降りて、出口に向かいます。

 

キルメスの方々は日本でいうお祭りの屋台の方々のような感じでありまして、商魂たくましい。

ディズニーランドのスプラッシュマウンテンのように、アトラクション体験中の写真がいつの間にか撮影されていて、出口で売っていることもしばしば。

 

この洗濯槽でも撮影されていたようで、出口に設置されたディスプレイに、早速我々の写真が表示されておりました。

茫然とする同志たちの写真。

 

麦は思わず、息子と麦をとらえた1枚を購入しました(多分8ユーロくらいした)。

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スタンプで隠れていますが、顔を強張らせる子どもたちの中で、麦はお恥ずかしいほどニヤニヤしています。

いやー、ありえへんわー!!

と、喜んでいるのです。

なぜか麦だけポジションが低い。

 

麦はもう二度と体験するつもりはありませんが、ご興味を持たれた方はぜひお試しください。

 

洗濯物の気持ちがわかります。