麦のおもらし

ドイツで細々と生きるズボラ主婦がもらす、インテリアや収納やなんやかんや

クンクン

キラめく個性の持ち主✨に出会うことがあります。

麦にとって、それは、クンクンです。

 

ブログに他人様のエピソードを書くのは如何なものかと思いつつ、麦はクンクンの記録を残したい。

 

〈ナポリタン〉

大学生時代。

クンクンと麦は、出席番号の関係で席が隣でした。

クンクン(麦たちが勝手に呼んでいた、単純に苗字由来のあだ名のようなもの)は、かわいい、小動物系の女の子です。

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しかしながら、ただ隣に座っているだけで、彼女特有の雰囲気を発散していました。

 

特有の雰囲気と共に、ナポリタンの香りも発散していました。

毎日ナポリタン臭(くさくはないのだけれど)を発散していたので、麦は

毎朝ナポリタンを食べるほど、クンクンはナポリタンが好きなのだろうか?

と真剣に考えていました。

他に考えるべきことは、沢山あったのだろうけれど。

 

1年後くらいに、ナポリタン臭の元は、クンクン愛用の日焼け止めクリームであったことが判明しました。

どうして判明したのかは、忘れました。

 

〈わかると思うけど〉

ある日、麦がバスに乗ると、クンクンがいました。

 

バスの混み具合、また教室では隣の席であるという関係性から、先にそこに立っていたクンクンの隣に麦が立つというのは自然な流れでした。

 

話しているうちに、話題は成人式のことになりました(成人式のすぐ後だったのです…20年近くも前なのに、鮮烈な記憶)。

 

成人式、地元に帰った?どうやった?懐かしかった〜??

と麦がたずねると、クンクンは

 

ウーント、ウーント…(彼女は声に出して考えるのだ)

わかると思うけどうち、あんまり友達おらんのヨ〜

 

と、少し恥ずかしそうに笑いながら(彼女はいつもそういう表情をしていた)、言いました。

 

麦は絶句しました。

これほど反応に困るパスは、後にも先にもありません。

 

〈衝動買い〉

わかると思うけど、にどう答えたらいいか分からなかった麦が目を泳がせていると、クンクンがスーパーの袋を持っていることに気がつきました。

 

話題を変えようと、麦は

あっ、スーパー行ってきたん?何買った〜ん??

と聞きました。

すると、クンクンはやはり少し恥ずかしそうに笑いながら

 

これ、さっきスーパーで見て、あんまりにも美味しそうやったから、衝動買いしてしまったんヨ〜

 

と言いました。

 

それほど美味しそうだったものとは何か、麦は知りたかったので、

へぇ〜、なにナニ??

と質問しました。

 

クンクンはやっぱり少し恥ずかしそうに笑いながら

ウーン、コレ…、うなぎの肝

と、優しい声で答えました。

 

麦は再び絶句しました。

 

クンクンって、ブレない自分の軸みたいなものを持っているんだろうな、と思ったことを覚えています。

 

恋愛に明け暮れるその頃の麦が衝動買いしていた物といえば、モテそうなもの一択。

他人軸に頼りきりでした。

 

うなぎの肝に横っ面をはたかれ、喝を入れられた気分でした。

 

クンクン的生き様、憧れます。