麦のおもらし

ドイツで細々と生きるズボラ主婦がもらす、インテリアや収納やなんやかんや

〈辻仁成ブログ「フランスで差別された時の対処法」を読んだ!〉ヨーロッパで差別を感じる時、思い、行動①

ヤフーニュースで、作家・辻仁成のブログ「フランスで差別された時の対処法」が取り上げられていました。

 

まず、作家・辻仁成のブログというのが気になります。

麦にとっての辻仁成氏は、ナルシストの権化であります。

 

かつて麦が交際していたナルシスト男子の部屋の本棚には、辻仁成氏の著書がズラリと並んでおり

うへぇ

と思った記憶があります。

 

辻仁成氏は、中山美穂と離婚後も、息子さんとパリで暮らしています。

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塔がないノートルダム

 

で、その息子さんが「美容室で差別された!」と憤慨して家に帰って来た、というのが、「フランスで差別された時の対処法」のブログの始まりなわけです。

 

ヤフーニュースによると

 

息子が美容室で、フランス人女性から「ニンハオ」とからかうように言われて、差別だと憤慨しながら帰宅

 

である辻仁成氏は息子さんを、

腹を立てているのにその場で女性に言い返さず、家に帰って来てから怒りをパパにぶちまけている時点でお前の負けだ!

と叱責する

 

パパは堂々と主張し、一点の曇りもなく生きているのでフランスで差別されたことはない

 

フランスで生きていきたいならば強い自分を持て、自分を持っている人間はリスペクトされ、自分を持っていない人間は脱落していく、そういう世界だ

 

という話のよう。

ファンからは感銘と賞賛。

 

もぅ、麦は色々言いたくて、舌なめずり。😋

ニンハオって言われて怒るって、軽く中国人差別じゃない?

てゆーか、ニンハオ(您好)って、ニーハオ(你好)より丁寧やんけー!

パパは差別されたことがない!って、ポジティブ!鈍感すぎるやろw

 

いやしかし、ヤフーニュースは切り貼りですからね。

ブログ本文を読めば、色々分かることがあるでしょう。

 

〈うっかり辻仁成のブログへ〉

というわけで、麦はまんまと作家・辻仁成ブログへ誘導されて行きました。

 

件のタイトルの下に、ポストされた日付と

辻仁成    作家    パリ

の文字。

スペース1つにまで美意識溢れているような気がするのは、こちらが構えすぎているせいでしょうか。

 

実際にブログを拝読すると、麦のツッコミはやはり誤解の勇み足であったことがわかりました。

 

息子さんは、からかうように言われたことに憤慨したのですね。

 

パパは、(誇りを持って堂々と生きているので)差別された(と感じた)ことはない、と息子さんに伝えたかったのですね。

 

麦風情がやいやい言って、申し訳なかったです。

 

そして、やはり作家先生が書く文章というのは、すごいですね。

父と子の周りの空気が、2人の会話によって緊張したり、緩んだり。眼に浮かぶのです。

父として締めるところはグッと締め、息子にもブログの読者にも、我が主張をガツンと伝える。

「パパだったら周りのフランス人にも聞こえるように、こう言ってやる」と語った内容はウィットに富み、軽妙

 

最初から最後まで、ブレス1回くらいで一気に読んでしまいました。

 

「差別されたと騒ぐ連中は自分の中に恥を持っている、そこを突かれて差別だと騒ぐのだ」

というクダリでは、ナァルホド、と麦は膝を打ちました。

 

ある時は、パパが息子さんをスポーツクラブに連れて行こうとしていたら、巨大清掃車がお2人に向かって突っ込んで来たそうです。

パパである辻仁成氏は激おこ、即座に清掃車の横腹をブーツで蹴飛ばして、息子を自分の後ろに隠し、降りてきた3人のアフリカ系大男に日本語で怒鳴り散らしたと。

 

ブーツで。

 

いいなぁ。

麦も感銘を受け、仁成サンカッケー!と賞賛せずにはいられません。

これでは辻仁成氏の思惑通りではないか!と思ってしまうのは、麦が構えすぎているせいでしょうか。

 

〈ドイツで差別された時の思いと行動〉

ある日。麦夫妻が歩道を歩いていると、車から降りた殿方がいきなり

ふあんひえんほあ◯×△◇…

と言い出したので、麦は

コイツ大丈夫か

と思いました。

 

夫はその殿方をギロリと睨みつけてから、麦に向かって

めっっちゃ差別してきたなぁー!

と言いました。

 

そうか、あれは差別だったのか。

麦はふあんひえんほあとは言わないので全然気付きませんでしたが、アジアの言葉をバカにしていたのですね。

 

また別のある日。息子が

ねぇ、ねぇ、チンチョンチャンってなに??

と麦に聞きました。

 

チンチョンチャンは、ドイツではアジア人をバカにするときの決まり文句みたいなもんです。

 

チンチョンチャンは、アジア人をバカにする時に言う言葉やで〜!

アジア人のしゃべり方が、チンチョンチャンって言ってるように聞こえるらしいよ。

…もしかして、言われてたりする??

 

恐る恐る、息子に尋ねてみますと、

 

うん、たまに言われるねー!

言い方で、なんかバカにしてるんだろうなってのは分かるんだけど、そういうコトねっ!

 

と、かるーい調子で答えました。

まーったく気にしていない様子でしたので

 

イヤじゃないの?

 

と聞くと、

 

まぁちょっとムカつくけど、そんくらいかなー。

だって、オレ、バカにされる理由ないし。

 

おぉ、コレは!

辻仁成氏が言うところの

「差別されたと騒ぐ連中は自分の中に恥を持っている、そこを突かれて差別だと騒ぐのだ」

ですね!

息子は、恥を持っていないわけです。

 

確かに、息子がアジア人であるということは、バカにされる理由にはならない。

ただし、他のことなら、バカにされる要素は山盛りであろう。

 

チンチョンチャンと言われた時に、息子はどのように対応するのかを聞いてみると、

 

あははー、みたいな?

だって、何か言ったって無駄でしょ。

 

という答え。

確かに、何か言ったって無駄でしょうな。

 

チンチョンチャンやら、ふあんひえんほあやら言う人たちは、

アジア人がいるぞ!差別してやるゾっ!!

なんて意気込んで言っているようには見えません。

 

信号が青になったから、渡る

ぐらいの感じで、

アジア人がいる、何か言ってやろ

となるように麦には思われます。条件反射、みたいな?

 

なので、麦も息子もこの手のことに関しては、特に何も感じることなく過ごしております。

鈍感なので、気付いてすらいないこともあります。

夫は、鈍い妻子よりもは敏感です。

1人くらい敏感な人がいないと、ただの間抜けな家族になりそうなので、良い役割分担かと思います。

 

 

麦家が住むのは、人口の1%を日本人が占める特殊な街・デュッセルドルフ。

そんなに「おっ、差別ダネ!」と気付く機会は多くありません。

そこいら中に日本人がいるのですから、差別してやろうにも数が多すぎます。

 

しかし、デュッセルドルフから出ると、当然話は違ってきます。

そして、本当に厄介なのはアジア内の軋轢だったりして…

 

つづく☆