麦のおもらし

ドイツで細々と生きるズボラ主婦がもらす、インテリアや収納やなんやかんや

〈辻仁成ブログ「フランスで差別された時の対処法」を読んだ!③〉日韓の軋轢、ドイツでどう伝える? 〜主婦と国益〜

辻仁成氏がミュージシャンとしてオーディションを受けたとき、同時に合格したのが尾崎豊だったのですってね!

 

辻仁成全然関係なくなってる気がしますが、続きです。

omorashilife.hatenablog.com

 

 

〈日韓の軋轢をドイツで説明する・準備編〉

日本の1人である息子が韓国の1人から受けているヘイトについて、学校に分かりやすく、手短に説明しなくてはいけません。

✳︎ヘイト・ヘイトスピーチとは:人種、出身国、民族、宗教、性的指向、性別、容姿、健康といった、自分から主体的に変えることが困難な事柄に基づいて、属する個人または集団に対して攻撃、脅迫、侮辱する発言や言動のこと。ウィキペディアより

 

慰安婦の画像事件も、万年筆事件も、授業中に起こっています(その授業では各自スマホを使用する)。

 

ちょうどすぐ後のタイミングで担任の先生方(1クラスの担任は2人)との保護者面談があったので、そこで話すことにしました。

先生方と話す言葉は、英語です(英語を話してくださる先生ばかりではないので、うちはラッキー☆)。

 

まず、家で夫と作戦会議です。

が、早速が立ちはだかります。

 

夫は慰安婦を表す英単語として、sex slaveを連発します。

麦はちょっと待て、こりゃマズいぞ、と思いました。

夫は日本人だけれど、そういえばアメリカでアメリカの歴史を習いアメリカ的に生きてきた人だった。

こういう時に、日本的麦は思い知ります。

 

先生方には、実際に息子の身に起こっていることをそのまま伝えればいいと思っていましたが、夫との会話を通して1人の平凡な主婦である日本的麦が守らなくてはならない大切なものに気づきました。

 

国益です。

 

ついでに。

麦の愛国心やなんかはとりあえず置いておいても、息子の困り事をドイツで上手く伝えるためには、

あ〜、日韓で昔そんな事があったんじゃあ、言われても仕方なくね?

と相手に思わせてはいけません。

します。

 

慰安婦問題については、日韓での捉え方に大きな隔たりがあります。

麦家は日本人ですので、日本の主張を採用します。

 

というわけで、外務省のHPをチェック。

日本側の主張を再確認し、sex slave ではなくcomfort woman という単語を使用することを脳味噌にインプット🧠。

 

そういぅことを世界に向けてでっかい声で言ってくれてりゃあ、€17の万年筆も壊されなくて済んだのにヨォ💢

悲しいほどミクロ視点のボヤキが出てきます。

 

とにかく、日本の主張、韓国の主張、実際に息子の身に起こったことなどを簡潔にまとめて原稿を作成。

実にめんどくさいです。

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あーー全部平和ならいいのに。今日のデュッセルドルフ

 

原稿を見直し、これではドイツ人にガツンと伝わるパンチが足らんなぁ…と考えました。

 

パンチを足す言葉を慎重に考えつつ、保護者面談の日を迎えました。

 

〈日韓の軋轢をドイツで説明する・実践編〉

こんなややこしい話をしなければいけない日に限って、うちの英語担当(夫)は仕事で面談に行けなかったりします。

 

気が重い。

自分の息子のだらしなさを改めて思い知らされる(麦にとっての保護者面談とはそういう場所です…先生いつもすいませぇん!と言いながら入場するのだ)だけでも憂鬱なのに、英語。慰安婦問題付き。

そもそも、麦はそんなに英語が達者ではないのです。

 

始まる前から脇汗など流しつつ、面談開始。

 

案の定息子のだらしなさを思い知り、今後のことなどを先生方と協議。

脱力しつつも気を取り直してこちらの話題へ。

 

間違えてはならん(国益!)ので、原稿を見ながら話します。

息子の身の安全と国益を守らなければ!と気張って、喉カラカラ。

麦は何事も考えすぎる嫌いがあるのです。

 

慰安婦画像事件の話を、起こったことそのままに伝えます。

 

息子に、そして親にとっても、とても残念な出来事がありました…

 

韓国の1人が、授業中に、スマホに慰安婦の画像を出してデスね、息子に向かって

日本人は韓国人をムリヤリせっくすしたー!

と、言いましタ(麦の英語のカタコト感)

 

先生方はまずキョトンとして、次に驚きの表情になり

 

せっせっせっくす???

 

と、おっしゃいました。

 

麦は、無理もない、保護者面談には相応しくない言葉であることよ、と思いました。

しかし、興味を持っていただけたようです。

 

麦の目的は、韓国の1人に日本の1人(息子)へのヘイトをやめてもらうことです。

ふーんそりゃ大変でしたネ、で終わっちゃあイカンのです。

ここは、自分に責任のないことには心置きなく無関心を貫くドイツなのですから。

それが良い悪いではなく、単純にそういう場所なのですから。

こちらの出方を工夫する必要があります。

 

ここから、

 

日韓の慰安婦問題についてご存知ですか?

 

という話に入ります。当然ご存じないです

そりゃそうです。ドイツのタイ料理屋には寿司があるくらいなのですから。

omorashilife.hatenablog.com

 

 

麦は慎重に慎重を重ねて、できるだけフラットな視点で(できるだけフラットな視点で見てるように見えるように)慰安婦問題について説明をしました。

 

しかし、その説明を理解していただくには、麦の力では

 

例えばアメリカではsex slave と呼ばれたりしている女性の方々…日本ではcomfort womanと言いますケドも(国益)

 

なんて言わなくてはならず、己の無力さにガックリくるのでした。こくえき、守れない!ごめん、日本!!喉カラッカラ!!!

 

先生方(教科ごとに先生が変わる。担任の先生は事件が起こる時にはいらっしゃらない)は

 

えぇ、それが授業中に!?

わお、それはいけないですね。

 

親身になって、息子に心を寄せてくださっている(ラッキーなことに、とても良い先生方なのです)ことが伝わってきます。ありがたい。

でも、やっぱりピンと来ないようです。

琴線に触れた、という手応えがない。

 

孤独な戦い(別に戦いではないのだけれど、そういう気持ち)で疲労困憊、ボロボロの麦が隠していた最後のパンチをお見舞いします。

 

歴史的背景だとか、各国の主張だとか、そういうのは違うのですが…(こ・く・え・きっっ!!!)

日本人の彼(息子)からすると、ドイツ人が他の国の人から

おまえナチ

って言われたような感じです。

 

麦が(おまえ〜のとこだけはドイツ語で)言いますと、先生方はしばし絶句し

 

ダメダメダメダメ、

ソレ絶対ダメ!!!!

 

とまずは憤り、そして呆れ、

 

彼(韓国の1人)の担任とすぐに話します。

もうこんなことは起こらないようにするから。

学校というのは、そういうことを言って良い場所ではありません。

 

とおっしゃいました。

実際、その言葉はすぐに実行されました。

 

彼(韓国の1人)がすぐに変わることはありませんでしたが、息子自身も彼とは距離をとるようにして、新たな事件が起こるのを防いだようです。

ドイツの小学校で散々いじめられた経験が活きました。

 

韓国の1人が歴史問題を絡めながら味方にしようとしていた中国の1人は、結局日本の1人(息子)と良好な友人関係を築いているようです。

 

万年筆は、弁償していただけました。

(親には内緒にして、お小遣いから払ったみたい。)

 

☆上記は、麦が相手との関係性、状況などを考慮して、全て自分で責任を取る覚悟で話した内容ですので、そこのところご承知おきください☆

 

〈負の連鎖〉

今回の事件について息子と話していた時、麦が

 

君(息子)がやられたことは酷かったけど。

韓国人の彼が、日本人に対してはそういう態度で接するのが正しいって教わってきたとしたら…

彼のお父さん、お母さんもそういう風に教育されてきたとしたら…

彼は悪いことをした、ってことになるのかなぁ?

 

という疑問を口にすると、息子は

 

迷惑かかってんだから、悪いに決まってるでしょ。

そんなに日本人のこと悪く言いたいんだったら、韓国で、韓国人同士で言えばいいんだよ。

ココはドイツだヨ💢

 

と、キッパリ言いました。

 

君って時々、本当のこと言うよね。

 

プレイステーションしていい?

 

ダメ。

 

 

 

息子はかなり打たれ強い性質を持っており、かつ慰安婦について少しの知識がありました。

親から聞いていたことだけでなく、愛読の歴史マンガからも、慰安婦についてはハッキリさせずにボヤかしてるなぁ〜ということを感じ取っていたようです。

 

息子はその性質と知識から、突然韓国の子どもに慰安婦問題でからかわれても対処(行動は殴り合いだったけれども、意味を理解し、心の折り合いがついている)する事ができたけれども、全ての日本の子どもがそうだとは限りません。

 

ぼやかされた教育で慰安婦問題を掴みきれないでいる日本の子どももいるでしょう(麦もそういう子どもであり、掴めないまま大人になってしまった)。

 

意味がわかっていても、攻撃されたら深く傷ついてしまう子どもも、きっといるでしょう。

 

他を差別することを、大人が子どもに伝えてしまうのは、負の連鎖です。

知るべきことを知らせないままでいることも、また負の連鎖なんだなぁ。

 

 

麦両親と麦がソウルで道に迷っていたら、韓国人のおじいさんがスッと近づいてきて日本語で道案内をしてくれたときの、ホッとした気持ち。

その後、麦母が麦に、なぜ韓国のおじいさんが日本語を話せたのかを教えてくれたときの、苦い気持ち。

麦はそのとき、まだ子どもだったけれど、今でも鮮やかなままです。

 

 

せめて自分のうちの中からだけでも。と、柔らかくなったキウィを食べながら、麦は思うのでした。🥝

〈辻仁成ブログ「 フランスで差別された時の対処法」を読んだ!②〉差別の向こう側にある怖さ 〜日韓の軋轢に平成生まれがドイツでトバッチリ〜

辻仁成氏って、作家の時は、つじ ひとなり

ミュージシャンの時は、つじ じんせい と読ませることは広く知られていると思うのですが…

 

作家の時の つじ のしんにょうの点が2つで、

ミュージシャンの時の つじ のしんにょうの点は1つだって、ご存知でしたか?

 

前回の続きです。

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〈ドイツで〉

麦家が暮らすデュッセルドルフには、日本人がたーくさん暮らしています。

 

ドイツの都会には、それはもぅありとあらゆる国にルーツを持つ人々が暮らしています。

 

デュッセルドルフもドイツの中では都会の方なので、(ドイツ人から見れば)外人だらけ。

色んな外見の人を見慣れています。

見慣れていると、やはり差別は起きにくいようですね💡

 

レストランで何かを食べていても、お店で物を選んでいても、視線を感じることもありません

じろじろ見られるのは、ちょっと気になりますものね。

 

一度、ものすごく自分への視線を感じる日がありました。今日は一体どうしたのだろうかと、自分の身なりを改めて確認しましたところ、麦は笑ゥせぇるすまんの漫画が一面にプリントされたTシャツを着ておりました。納得しました。

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前身頃

 

地域的な特色もあります。

ドイツでは、右派が躍進している地域でアジア人(他の国の人も)がぽけーと歩き回ると、ちょっと危ないかもしれません。差別くらいで済んだらラッキーだったりして。

選挙でその地域をとった政党がどこだったかを把握しておくことは、結構重要かもしれません。

 

差別され得る機会を積極的に減らすことも大切でしょう。

これは、危ない場所やヤバそうな人には近づかないという、日常の危機管理がそのまま適用出来そうです。

ただし、危機管理をしていても、突然アチラから飛び込んでくるケースもありましたね。

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それでも、自分がアジア人であることを、常に意識し過ぎることなく暮らすことができるドイツ。

私はワタシ、と思っていられるドイツ。

 

ドイツは、差別に関してはマシな方だと、麦は思っています。

 

〈麦家の鬼門はベルギー〉

麦がこれまでに訪れたヨーロッパの国は、多分13か国。

その中で、ブッチギリで不快な思いをする国…それは、ベルギー

 

偶然かもしれません。タイミングが悪かっただけかもしれません。

しかし、やっぱりブッチギリなのです。

 

大人には、軽んじた扱いを受けます。

若者(集団)にも、あからさまにバカにされます。

鈍感な麦が気付くくらいなのですから、よっぽどのことです。

 

その中でも麦が震えたのは、お母さんと一緒にいた小さな子ども(5歳くらいか?)が、明らかにアジア人である我々を侮辱した時です。

 

夫は手加減せず、大人に向かってするのと同じようにその子どもをギロリ👁と睨みつけました。

お母さんはとても慌てて、子どもを叱っていました。

 

ベルギーは、美味しいし、オシャレだし、パリみたいに広すぎなくて、とても好きなのです。

でも行くのには、少しの覚悟とエネルギーが必要。

国境付近はまだイイのだけれど、ブリュッセルは…キッツイわー。

 

〈差別の向こう側にある怖さ〉

大人が小バカにしてくる事には、ムッとする程度で心は乱されないのですが、子どもがあからさまな差別をする場面を見てしまった時。

麦は暗澹たる気持ちになります。

 

ベルギーのクソガキ(悪い言葉で失礼…ちなみに女児)もそうですが、生まれた時から

こういう見た目の人は偉い、こういう人たちはバカにして良し

とか、思っていたわけではないのですよね(当然)。

 

ということは、だったり、環境だったりが、「アジア人をバカにしましょう」ということを彼女に伝えてきたわけです。(女児の母親、慌ててる場合ぢゃないぞ)

 

お寺の前に貼ってある標語みたいなやつで、「子は親の言うようには育たない、親のするように育つ」みたいなのを見たことがありますが、ソレです。💡

 

たくさんの大人が、知らないうちに自然と身につけた差別が、子どもにしっかりと受け継がれている。

その大人たちも、生まれた瞬間には差別なんてしていなかったわけで…

 

「今、目に見える形で存在する差別」の向こう側にある、そういう負の連鎖こそが、麦はとても恐ろしいのです。

 

目の前の差別は、された方が気にしなけりゃ終わりですが、その出発点と行く先に思いを巡らせたとき。

太刀打ちできない大きな物に直面して、諦めたような、がっかりしたような、そんな気持ちになるのです。

 

〈アジアから出て直面する、アジア内の軋轢〉

差別というのは、違う人種間、違う性的嗜好を持つ人の間なんかで発生しやすいようですが、同じ人種間でも発生しますね。

そして、同じ人種間の差別の方が、根深い

 

息子はドイツの現地校に通っております。

学校には、まだドイツ語が達者でない子どもたちが集まって受けるドイツ語訓練クラスがあります。

最近まで、それぞれの母国で育ってきた子どもたちが集合します。

 

息子の学年は、日本、中国、韓国から各1名ずつが参加しました。

日本の1名の母である麦は、危険な予感がしました。

 

そしてその予感は、想像以上の形で現実のものとなりました。

 

 

今日授業中に大ゲンカしてきたヨ

先生にめっちゃ怒られたわ

 

ある日息子がいったので、理由を聞きますと

 

授業中に◯◯(韓国の1名)がわざわざスマホに慰安婦の画像出してさ、オレに見せながら

日本人はムリやり韓国人をせっくすしたーー!!!

って言ってきたんだよ。

オレも色々言ってやりたかったけど、ドイツ語じゃうまく言えないし、とりあえずムカつくから、殴り合いになったよね

 

………色々とヒドいです。

そりゃあ殴り合いにもなります。

 

(麦家では、慰安婦問題については、息子にお伝え済みです。

日本はこう考えている、韓国ではこう考えられているらしい。

日本の記録ではこうなっているらしい。韓国の人はこう言っている。

国際法的?には解決しているけれど、韓国の気持ちは解決していないらしい。

しかし、麦はもちろん戦後生まれであるので、何が本当のことかはわからない。実際に見たわけじゃないし。

という感じで、日韓双方の思惑と現実を、麦家なりに率直にお伝えしてきたつもり…)

 

オレに言われてもね。

 

息子、平成生まれですしね。

ドイツ育ちの韓国人の友人も、息子には何人かおりますが、その子たちとは仲良くやっているのです。

 

しかし、韓国育ちのその彼は、息子が日本人であるという理由で攻撃の手を緩めません。

中国からのもう1名も、何かと歴史問題に絡めて味方につけようとしている様子。

 

韓国育ちの彼はある日、ついに息子の万年筆(学校ではみんな万年筆を使うのだ🖋)をワザと床に落として壊します。

 

どうやら、日本人相手なら何を言っても、何をやってもいいと思っている様子。

 

麦は、韓国育ちの彼が背負わされている負の連鎖に思いを馳せました。

 

彼が今息子にしている数々の仕打ちも、環境や教育が基になっているのだろうなぁ…彼のご両親もまた、そういう環境で教育を受けたわけで…

 

はぁぁ。ため息。

いや、韓国から見たら、全然負の連鎖ではなくて、真っ当に、当然のことを子どもたちに伝え続けているのだろうけど…

 

いつまでも続く嫌がらせに、呑気な息子もさすがに困っていました。

 

日本が何を考えていようが、韓国がどう思っていようが、それぞれの環境がどんなだろうが、息子が受けているのは正にヘイトそのものです。

放っておくわけにはいきませんでした。

 

…気が進みませんが、親が学校に相談するしかなさそうです。

しかし、ヨーロッパからは遠いどっかの国である日本と韓国の問題を、どうやってドイツ人の先生に説明する…??

 

つづく☆

 

ドイツ語訓練クラスでこんなややこしいやり取りができるなんて!

人間、特に子どもって、なんとか意思疎通しようと思うと、どうにか出来るもんなのですね😀

 

最後に、麦はこのブログで慰安婦問題について話したいわけではないということを、付け加えさせていただきます。

日本がどうとか、韓国がどうとか言いたいわけでもありません。

 

〈辻仁成ブログ「フランスで差別された時の対処法」を読んだ!〉ヨーロッパで差別を感じる時、思い、行動①

ヤフーニュースで、作家・辻仁成のブログ「フランスで差別された時の対処法」が取り上げられていました。

 

まず、作家・辻仁成のブログというのが気になります。

麦にとっての辻仁成氏は、ナルシストの権化であります。

 

かつて麦が交際していたナルシスト男子の部屋の本棚には、辻仁成氏の著書がズラリと並んでおり

うへぇ

と思った記憶があります。

 

辻仁成氏は、中山美穂と離婚後も、息子さんとパリで暮らしています。

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塔がないノートルダム

 

で、その息子さんが「美容室で差別された!」と憤慨して家に帰って来た、というのが、「フランスで差別された時の対処法」のブログの始まりなわけです。

 

ヤフーニュースによると

 

息子が美容室で、フランス人女性から「ニンハオ」とからかうように言われて、差別だと憤慨しながら帰宅

 

である辻仁成氏は息子さんを、

腹を立てているのにその場で女性に言い返さず、家に帰って来てから怒りをパパにぶちまけている時点でお前の負けだ!

と叱責する

 

パパは堂々と主張し、一点の曇りもなく生きているのでフランスで差別されたことはない

 

フランスで生きていきたいならば強い自分を持て、自分を持っている人間はリスペクトされ、自分を持っていない人間は脱落していく、そういう世界だ

 

という話のよう。

ファンからは感銘と賞賛。

 

もぅ、麦は色々言いたくて、舌なめずり。😋

ニンハオって言われて怒るって、軽く中国人差別じゃない?

てゆーか、ニンハオ(您好)って、ニーハオ(你好)より丁寧やんけー!

パパは差別されたことがない!って、ポジティブ!鈍感すぎるやろw

 

いやしかし、ヤフーニュースは切り貼りですからね。

ブログ本文を読めば、色々分かることがあるでしょう。

 

〈うっかり辻仁成のブログへ〉

というわけで、麦はまんまと作家・辻仁成ブログへ誘導されて行きました。

 

件のタイトルの下に、ポストされた日付と

辻仁成    作家    パリ

の文字。

スペース1つにまで美意識溢れているような気がするのは、こちらが構えすぎているせいでしょうか。

 

実際にブログを拝読すると、麦のツッコミはやはり誤解の勇み足であったことがわかりました。

 

息子さんは、からかうように言われたことに憤慨したのですね。

 

パパは、(誇りを持って堂々と生きているので)差別された(と感じた)ことはない、と息子さんに伝えたかったのですね。

 

麦風情がやいやい言って、申し訳なかったです。

 

そして、やはり作家先生が書く文章というのは、すごいですね。

父と子の周りの空気が、2人の会話によって緊張したり、緩んだり。眼に浮かぶのです。

父として締めるところはグッと締め、息子にもブログの読者にも、我が主張をガツンと伝える。

「パパだったら周りのフランス人にも聞こえるように、こう言ってやる」と語った内容はウィットに富み、軽妙

 

最初から最後まで、ブレス1回くらいで一気に読んでしまいました。

 

「差別されたと騒ぐ連中は自分の中に恥を持っている、そこを突かれて差別だと騒ぐのだ」

というクダリでは、ナァルホド、と麦は膝を打ちました。

 

ある時は、パパが息子さんをスポーツクラブに連れて行こうとしていたら、巨大清掃車がお2人に向かって突っ込んで来たそうです。

パパである辻仁成氏は激おこ、即座に清掃車の横腹をブーツで蹴飛ばして、息子を自分の後ろに隠し、降りてきた3人のアフリカ系大男に日本語で怒鳴り散らしたと。

 

ブーツで。

 

いいなぁ。

麦も感銘を受け、仁成サンカッケー!と賞賛せずにはいられません。

これでは辻仁成氏の思惑通りではないか!と思ってしまうのは、麦が構えすぎているせいでしょうか。

 

〈ドイツで差別された時の思いと行動〉

ある日。麦夫妻が歩道を歩いていると、車から降りた殿方がいきなり

ふあんひえんほあ◯×△◇…

と言い出したので、麦は

コイツ大丈夫か

と思いました。

 

夫はその殿方をギロリと睨みつけてから、麦に向かって

めっっちゃ差別してきたなぁー!

と言いました。

 

そうか、あれは差別だったのか。

麦はふあんひえんほあとは言わないので全然気付きませんでしたが、アジアの言葉をバカにしていたのですね。

 

また別のある日。息子が

ねぇ、ねぇ、チンチョンチャンってなに??

と麦に聞きました。

 

チンチョンチャンは、ドイツではアジア人をバカにするときの決まり文句みたいなもんです。

 

チンチョンチャンは、アジア人をバカにする時に言う言葉やで〜!

アジア人のしゃべり方が、チンチョンチャンって言ってるように聞こえるらしいよ。

…もしかして、言われてたりする??

 

恐る恐る、息子に尋ねてみますと、

 

うん、たまに言われるねー!

言い方で、なんかバカにしてるんだろうなってのは分かるんだけど、そういうコトねっ!

 

と、かるーい調子で答えました。

まーったく気にしていない様子でしたので

 

イヤじゃないの?

 

と聞くと、

 

まぁちょっとムカつくけど、そんくらいかなー。

だって、オレ、バカにされる理由ないし。

 

おぉ、コレは!

辻仁成氏が言うところの

「差別されたと騒ぐ連中は自分の中に恥を持っている、そこを突かれて差別だと騒ぐのだ」

ですね!

息子は、恥を持っていないわけです。

 

確かに、息子がアジア人であるということは、バカにされる理由にはならない。

ただし、他のことなら、バカにされる要素は山盛りであろう。

 

チンチョンチャンと言われた時に、息子はどのように対応するのかを聞いてみると、

 

あははー、みたいな?

だって、何か言ったって無駄でしょ。

 

という答え。

確かに、何か言ったって無駄でしょうな。

 

チンチョンチャンやら、ふあんひえんほあやら言う人たちは、

アジア人がいるぞ!差別してやるゾっ!!

なんて意気込んで言っているようには見えません。

 

信号が青になったから、渡る

ぐらいの感じで、

アジア人がいる、何か言ってやろ

となるように麦には思われます。条件反射、みたいな?

 

なので、麦も息子もこの手のことに関しては、特に何も感じることなく過ごしております。

鈍感なので、気付いてすらいないこともあります。

夫は、鈍い妻子よりもは敏感です。

1人くらい敏感な人がいないと、ただの間抜けな家族になりそうなので、良い役割分担かと思います。

 

 

麦家が住むのは、人口の1%を日本人が占める特殊な街・デュッセルドルフ。

そんなに「おっ、差別ダネ!」と気付く機会は多くありません。

そこいら中に日本人がいるのですから、差別してやろうにも数が多すぎます。

 

しかし、デュッセルドルフから出ると、当然話は違ってきます。

そして、本当に厄介なのはアジア内の軋轢だったりして…

 

つづく☆

〈ユーハイムでムスカになる〉身近なドイツ語

今年も保護者会の季節がやって来ました。

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あぁ憂鬱。保護者会は夕方からです

 

1年目、ドイツに来て初めての保護者会は、わかんなくて当たり前だもンね、と思って座っていました。

 

2年目、2回目の保護者会では、おや、今頃はすっかりドイツ語に親しんでいるはずだったのに、全然上達していないなぁ。来年こそは!と思って座っていました。

 

そして3年目、3回目の保護者会に行ってきました。

担任の先生は昨年度からの持ち上がりで、麦がドイツ語ダメなことをよぉく分かっておられます(麦夫妻とはいつも英語で話してくださる)。

ここに麦がいることに意義があるのだと開き直って、でも、ちんまり、座ってきました。

 

いやぁ、これではイカンですね。

来年こそは。

 

ドイツ語ダメでも、普段何気なく使っている言葉の中に、ドイツ語は潜んでいます。

日本で使われている、あんな言葉やこんな言葉も、実はドイツ語だったりするのです。

 

〈身近なドイツ語〉

とても沢山ありますので、よく使う言葉を見てみましょう。

ご存知のものも多いかと思います。

 

有名なところでは、カルテがありますね!

病院でお医者の先生が書くヤツ。

ドイツ語での意味はカードなので、病院のヤツとは少し違いますが…

例えばドイツでは、お店でカルテで支払うわけです。

 

アレルギーとか、エネルギーは、そのまま、そのものです。

 

アルバイトもドイツ語です。

意味は日本語の「バイトする」のアルバイトとは少しだけ違って、もっと一般的(正社員的?)な「働く」です。

研究するのも、勉強するのもアルバイトです。

とてもよく使う言葉です。

ドイツの「バイトする」はJobです。ややこしわ。

 

理科の実験なんかで出てくる、シャーレ。

ドイツ語のシャーレは、ちょっと深いお皿です。

レストランで汁っぽい料理を取り分けたい時なんかに、シャーレをあと3つくれ、なんて言うわけです。

 

FRAU(フラウ)という雑誌がありますね。

ドイツ語で、女性とか、ご婦人とかいう意味。

英語のMs.みたいな役割もします。

フラウというより、フラォという感じで発音します。

 

ある時、息子が

ヤバイよヤバイよ…オレと全く同じ服を着て、同じメガネをかけた同じ歳くらいの子どもが歩いてた!

と興奮していました。

へぇ、怖。ドッペルゲンガーちゃう?

と麦が言いましたら、

ふぅむ、ドッペルゲンガーか…あ、ドイツ語だね。

息子が言いました。

確かにドッペルゲンガーもドイツ語ですね。

ドッペルはダブルという意味です。

 

〈ユーハイムでムスカになる〉

ユーハイムは、言わずと知れた、バウムクーヘンで有名な洋菓子屋さんです。

 

バウムクーヘンも、もちろんドイツ語です。

みなさまご存知のように、木ケーキという意味です。

見た目が、年輪のようなのですね。

 

ユーハイムは、ドイツ出身のカール・ヨーゼフ・ヴィルヘルム・ユーハイムが、第一次世界大戦中に捕虜として連行された日本に留まり、神戸に喫茶店を開業したのが始まりだそうです(ウィキペディアより)。

嬉しくなるほど、ドイツっぽいお名前でらっしゃる。

 

日本に一時帰国したある夜、麦家はいちごのショートケーキを買おうとしていました。

一時帰国中に、日本のいちごのショートケーキを絶対に食べたかったのです。

 

電車の乗り換え駅にユーハイムがあることを思い出し、ユーハイムで購入することにしました。

ユーハイムなら、いちごのショートケーキもいいし、あのシュー皮みたいなのにクリームが挟まった食べにくいけどウマイやつも食べたい。

生シューもいいよね。

 

あのシュー皮みたいなやつ、どうしても名前が覚えられないのよね〜なんて考えながら、鼻歌交じりにユーハイム到着。

ワクワクしながらショーケースを覗き込むと

 

フランクフルタークランツ

オーブストトルテ

バウムクーヘン

ショコザーネ

フロッケンザーネトルテ…

 

ぉおぉぉお…読める、読めるぞ!!

 

ムスカ(ラピュタですよ、念のため)かよ、落ち着けよ、と自分に言い聞かせるところまでを心の中で完結させました。

 

ドイツ語だらけ!(かいつまむと、オーブストはフルーツ、トルテはケーキかな、タルトかな、ショコはチョコ、ザーネがクリームです。)

 

そして、ドイツから一時帰国しているのにドイツ菓子屋を選んだ己の間抜けぶりが身にしみてきました。

 

でも、いいんです。

ユーハイムはドイツ菓子でありつつ、美味しいのですから。

 

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左下にオブストトルテ

 

ドイツでは、そんなにバウムクーヘン食べませんし、まず間違いなくユーハイムの方がウマい

 

デュッセルドルフあたりで有名なスイーツ店、ハイネマンにてフランクフルタークランツも食べてみましたが、なんか美味しくない、ユーハイムと違う

パサパサなのかな?口の中の水分全部持っていかれる。

 

日本の夜。

ユーハイムのいちごのショートケーキとフロッケンザーネトルテ、生シューを、麦家は堪能いたしました。

 

シュー皮みたいなのにクリームが挟まった食べにくいけどウマイやつ = フロッケンザーネトルテ

もうスラスラ言えるもんね。😏

 

フロッケンザーネトルテで喜んでいる場合ではない。

来年こそは!

 

 

〈Lindt リンツのチョコレートが衝撃の80%オフ超!!〉アーヘンのお菓子天国

リンツのチョコレート、美味しいですね🍫

板チョコも美味しいし、まぁるいリンドールなんて、たまりません。

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皆さまは、何味がお好きですか?

麦は板チョコならextra creamy、リンドールはイチゴと赤いのと白いのと青いのが好きです。

 

ただ、少し、高い

ドイツでも、日本よりは安いかもしれませんが、やっぱり普通のチョコレートよりやや高いです。リントと言います。

 

そのリンツのチョコレートを破格で買える場所に行ってきました。

 

〈Lindt WERKSVERKAUF 〉

そんな夢のような場所は、アーヘンという街にあります。

 

アーヘンは古い歴史を持つ、魅力ある街です。

温泉があり、温泉があるということはカジノがあり(温泉とカジノはセットだ)、アーヘン大聖堂は世界遺産第1号に登録されています。

 

アーヘンは、麦家の住むデュッセルドルフと同じノルトライン・ヴェストファーレン州に属しており、車で1時間くらいの距離です。

 

さて今回のお目当ては、温泉でも、カール大帝が眠る大聖堂でもなく、リンツのチョコです。

 

リンツの工場に併設されたファクトリーストア、

Lindt WERKSVERKAUF

住所:Süsterfeldstraße 130, 52072 Aachen 

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ようこそ、こちらです→

 

営業時間はコチラ↓

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このファクトリーストアの情報を発見したのは、息子でした。

ネットでショッピングモールの情報を探していたら、出てきたらしい。

口コミもウワサも聞いたことがないまま訪れたファクトリーストア。

果たしてどんなもんかしらと思ったら…

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簡素な外観

 

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なぁんだ、ただの天国か。

(今風!今風の言い方!!)

 

残念ながら、店内の写真撮影は禁止です。

おばさま方はバッシャバッシャ記念撮影しまくっていましたが、別に注意する人がいるわけではありません。

 

リンツのありとあらゆる製品がこれでもかっ、これでもかっ!と陳列されています。

スーパーや街のリンツの店(路面店がけっこうある)で売られている商品なら、単品で30%オフくらい。

 

しかし、ここで我々の度肝をぬいてくれるのは、上の写真の→が示すコーナー。

そこには、いろんな種類のチョコレートがごっちゃりどっちゃり入ったずっしり重い袋がみっちり置かれています。

箱詰めされる前のプラリネや、シンプルなチョコ、普通の既製品までがいっしょくたに詰め込まれた、透明な袋。

壮観。多分も詰まっています。

1kgくらい入っていたかしら。

 

これが、定価の83%オフ(多分。大事な所であいまいな記憶)くらいで売られているのです!

1袋€10はしなかったような。

 

すごい、すごすぎる✨

でも絶対食べきれない

 

周りのお客さんを見てみると、この夢の袋を2つ、3つとカゴに放り込んでいます。

近所に配るのか?

 

普通のパッケージに入った板チョコのまとめ売りもあります。

たくさん入って、まとめて半額以下でどやっ!といったところ。

気分はアメ横。

 

おなじみ、丸いリンドールの量り売りもあります。

リンドールも、まとめ売りだと、なお安い。

 

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はぁ〜❤︎

 

自分を見失わず、食べる分だけ買って出てきました。

チョコレートが大量にあるので、店内がものすごく寒いです。

夏でも上着を持っていた方がいいかと思います。

 

工場から漂うあま〜いチョコレートの香り、激安プライス。

こりゃいい所です。

おトイレも無料で使えますしね。

 

 

〈Bahlsen KEKS & CO.〉

リンツのお店を出ますと、道を挟んだ向かい側に

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Bahlsen のアウトレットショップ、KEKS & CO.があります。

 

Bahlsenはクッキーやビスケットなどの焼き菓子の会社で
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どこのスーパーにも必ずある

黄色いパッケージでおなじみのビスケット、LEIBNIZはBahlsenのブランドらしい。

 

店内には、ものすごい量のビスケットやクッキーがあります。

大量の焼き菓子に囲まれて、麦は、(トン)という文字を思い浮かべました。

 

Bahlsenは、ポテトチップスで有名なLORENZと同じ会社(なんせThe Lorenz Bahlsen Snack-World という社名である)らしく
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これまたどこのスーパーでも売っている、LORENZ のポテトチップスやスナック菓子も、ものすごく豊富にあります。

NicNac’s は、まぁまぁおいしい豆菓子ですね。

 

甘いとしょっぱいが混在する空間にテンションが上がり
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ヤバくね?

↑こんな新商品を見て、ヤバくねヤバくねと大騒ぎ。

 

興奮したくせに買ったのは

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小さなだけでした(中はカラ。€2)。

かわいい。

 

レジの女性が、商品を出したり店内をチェックしたり、あくせく働いてらっしゃいました。

あんなに働くドイツの人を見たのは初めてです。

 

 

アーヘンの一角にある、お菓子天国。

訪れる価値ありです。