おはなとの出会い 〜うちのメス犬〜
おはなでスッ!
おはなさん奇跡の1枚 @アンヴァリッド
おはなは、うちの犬です。
犬種はキャバリア・キング・チャールズ・スパニエル。
色は白と茶色です(この色はブレンハイムと呼ばれます)。
ちょっと高飛車な(うちではそういうことになっている)5歳のメス犬です。
息子が時々、おはなさんの生い立ちをおはなさん自身になったつもりで話し出すことがあるので、そのまんま書きます。
アタシはさいたまけんで生まれてー、
暗いトラックに乗せられてー、
川崎に来ました。
ラゾーナのユニディでー、
麦家に見つけられました。
黄色い車に乗せられてー、
おうちに来ました。
しばらく暮らしました。
小さな箱に入れられてー、
暗くて寒くてうるさい部屋に閉じ込められてー、
何十時間もガマンしました。
ドイツに来ましたっ、おはなでスッ!!
埼玉県のブリーダーで生まれて、ラゾーナ川崎(神奈川県のショッピングモール)にあるホームセンター、ユニディで売られていたのですね。
暗いトラックに乗せられたかどうかは知りませんが、ホームセンターのペットコーナーで、という、いまどきめずらしいくらいの安直な出会いでした。
黄色い車は、当時のうちの車、ルノーのカングーです。
小さな箱はクレート、暗くて寒くてうるさい部屋は、飛行機のことですね。
直行便で来たので、何十時間もガマンはしていないと思います。
〈ラゾーナ川崎〉
その日は、まだ幼稚園児だった息子のウルトラヒーローショーのためにラゾーナに行っていました。
ウルトラ系は麦の管轄外ですので、夫に息子を押し付け、1人でウィンドウショッピングを楽しもうとワクワクしていました。
とりあえず犬でも見るかな、と思ったのかどうなのか、麦はホームセンターのペットコーナーに行きました。
中段に、小さくて、白くて茶色い、キャバリア犬がいました。
なんとかわいい。
麦はもともと、キャバリアが好きだったのです。
上の段には、真っ黒なプードルちゃんがいました。
しばらく白くて茶色いキャバリア犬を見つめてから、他のお店を見に行きました(たぶんどうせユニクロかなんかです)。
どうも気になります。
白くて茶色い犬を見に戻ります。
しばらく見つめます。
見つめてもしょうがないので、また他の店を見に行きました(どうせダイソーかなんかです)。
やっぱり気になります。
駆け足で、白くて茶色い犬を見に戻ります。
あぁよかった、まだ売れてない。
夫から電話がかかってきました。
ウルトラヒーローショー今日じゃなかったー!
このころからどうもこの類の勘違いが多いようです。
麦はペットコーナーにいることを伝えました。
夫と息子が来ました。
麦は白くて茶色い犬を2人に紹介しました。
夫も一瞬で心を奪われました。夫は犬が好きなのです。
息子もかわいいかわいいとはしゃいでいます。
麦は犬と暮らしたこともなかったですし、一緒に暮らすなんて、考えたこともありませんでした。
それなのに夫は、
かわいいなぁ〜❤︎
麦ちゃんも気になってしょうがないんやろ?
飼おぅや
と、迷いなく言いました。軽い。
命を預かるのに、なんて軽い。
そういえば夫は、家が欲しい、家を買おう、と言って、3日後くらいに本当に家を買ったのでした。
重大な決断に、おそろしく時間がかからないのです。
息子も家に犬が来るー!と喜んでいます。
しかしこれは大事なことです。
慎重に考えなくてはいけません。
1回この場を離れて相談しよう、ということにしました。
息子は言いました。
えー!?買わないの?買おうよ!!
上の黒いのでもいいからさぁ!!!
子どもなんて、そんなもんです。
〈びっくりドンキー〉
場所を変えて、ハンバーグを食べながら話し合います。
話し合うといっても、夫が
飼おうや
いいやん
大丈夫やって
と言い続けるのに、麦がうーん、そうかな、自信ないなぁ…ともごもご答えるだけです。
こうしている間にも、白くて茶色い犬が売れてしまうかもしれません。
不安で、ポテサラパケットディッシュの味もわかりません。
果たして自分が犬と暮らせるのか、何の自信もないけれど、白くて茶色い犬が売れてしまうのはダメです。
麦は決意しました。
飼うっっ!
〈ふたたび、ラゾーナ川崎〉
大急ぎでペットコーナーに戻りました。
白くて茶色い犬は…いました!よかった!!
手続きや残りのワクチンを済ませてから、1週間後にうちに来ることになりました。
予約していたハワイ旅行をキャンセルして(仔犬を預けて行けません)うちの家族になるので、ハワイ語で「家族」という意味の、おはな、と名付けました。
1週間の間にもいそいそと面会に通い、ついにおはなはうちにやって来ました(黄色い車に乗せられてー)。