〈帰国子女の変わった日本語〉夫はメリケン育ち!夫と麦の歴史
麦の夫は、帰国子女です。
LA育ち☆頭は1つ
幼稚園児で渡米し、大学入学時に日本に戻ったので、母国語は英語です。
夫の両親は共に日本人なので、夫も日本人。
人間形成期の大半をアメリカで過ごしたので、中身はメリケン寄りです。
夫は日本の会社でも働いていましたし、家でも日本語で話します。
夫の日本語は、麦が夫と出会った頃より随分上手になりました(読み書きは苦手)。
今では、長く話さないと違和感を覚えないほどです。
でも、やっぱり、チョットニホンゴヘンです。
〈KONISHIKIか? 麦と夫の出会い〉
麦と夫は、会社で出会いました。
夫が1年先輩です。
麦は、夫と同じ部署に配属されました。
新入社員だった麦は、初めてのチームミーティングに参加しました。
向かい側には、当時ただの先輩だった現夫が座り、やたら発言しながら嬉々としてメモをとっていました。
夫は仕事を楽しむタイプなのです。
この人は何をそんなにメモしてるんやろ?とノートをのぞいて見ると…👀
最初の3行はぜんぶひらがなで書かれていて、そこから後はアッサリ英語になっていました。
麦はKONISHIKIか!?と思いました。
KONISHIKI(小錦/ コニちゃん)がクイズ番組で、回答を全部ローマ字で書いていたのを思い出さずにはいられなかったのです。
最初の3行をひらがなで書いた理由は、謎のままです。
夫はその後転職しますが、とにかく夫と麦は3行後にアッサリ英語になったようにアッサリ結婚したのでした。
できちゃったのですね。
(夫の喜びぶりはすごかったです。)
〈「麦」の由来〉
このブログの名前「麦のおもらし」の「麦」は、麦の、うちの中での呼び名です。
麦自身の家の中での一人称も、麦です。
すっかり夫婦としての生活にも慣れた頃。
夫と麦は有楽町のビックカメラに、携帯電話を買いに行きました。
東京、しかも有楽町なのですから、麦夫妻を担当した店員さんが中国人だったことも、なんら不思議ではありません。
携帯電話を買う時は、色々と書類に記入しなくてはいけません。
この時は、店員さんに促されるまま、夫が記入する流れになりました。
嫌な予感がします。
汚い字で夫が記入していきます。
店員さんはとても親切で、ここにはこう、ここにはこう書けと1つ一つ教えてくださいます。
店員さん:ここの続柄のところは、ご主人からみた奥様のことを書いてください。なので、妻、と書いてください。
夫:つま………
夫がwhat the fxxk …とつぶやきながら書いた文字は、妻ではなく、麦でした。
麦は書類の上で出来上がっていく麦という文字を見ながら驚愕していました。
この頃、夫は麦の名前すら漢字で書けなかったのですから、妻なんて書けるわけがありません。
妻と麦は、そういえば似ています。
店員さんは申し訳なさそうに、しかしキッパリと、
ソレはムギデス。
と言いました。
その日から、麦は、麦になりました。
夫は麦を、麦ちゃんと呼びます。
夫はいつでもどこでも寝られる
〈おつまみ〉
(料理をしている麦に)
麦ちゃんっ、それ、美味しそうやんか!
ちょっとおつまみさせてぇな!!
(夫が料理をしながら)
麦ちゃんっ、これ、味大丈夫かな?
ちょっとおつまみしてみてくれる??
……。
どうやらお味見とおつまみがごっちゃになっているようです。
このおつまみはちょっとかわいいので、麦は指摘せずに放置しています。
なので、今でも夫はおつまみを絶賛使用中です。
〈おじやの向こう側〉
麦家の朝食には、おじやがよく登場します。
炭水化物とたんぱく質(卵)が同時に採れて、すぐ出来るからです。
ある朝、家族でおじやを食べていた時、おじやと雑炊の違いの話になりました。
夫はどうもこの違いには自信があるようです。
張り切って言いました。
雑炊は、おじやの向こう側やんかっ!!
息子と麦:??????
どうやら、雑炊はおじやよりも水分が多くてしゃばしゃばしている、ということを言いたかったようです。
全然わかりません。
ご飯を先に水で洗ってっ!さらさらしててっ!
梅干しをのせてっっ!!
夫は張り切って話し続けました。
きっと、雑炊を食べたくなったのでしょう。
ご飯を水で洗う所まではよかったのですが、梅干しをのせたので、残念ながら夫が言っているのはお粥だと判明しました。
〈夫的息子の日本語教育〉
麦家の息子も、10歳でドイツに移住しました。
日本に戻る予定はありません。
家の外では、全部ドイツ語で生活しています。
得意だったはずの漢字も、1年ですっかり忘れ去りました。
夫は漢字が書けなくてもそんなに困ったことはないらしく(だってパソコンが変換してくれるやん)、
息子は日本語補習校に行かなくてイイ!
と言うので、息子は現在、日本語教育を受けていません。
そんな息子の行く先は、きっと、
おじやの向こう側。