麦のおもらし

ドイツで細々と生きるズボラ主婦がもらす、インテリアや収納やなんやかんや

〈ギムナジウムのドレスコード〉イメージとリアル

現在のドイツのギムナジウムというのは、中高一貫校のようなもので、大学進学を前提とした教育が行われます。

つまり、多分進学校ということなのだと思います。

麦の息子は現在、ギムナジウムの7年生です。

 

〈イメージ〉

さて、ギムナジウムと聞くと、こちらを思い浮かべる方がいらっしゃることでしょう。

萩尾望都大先生の時代を超えた名作、「11月のギムナジウム」です。

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カバーはないが、シミはある…麦も、中身はないがシミはある…仲間だね!

麦なんかはサナトリウムを思い浮かべたりしますが、全然違いますね。そりゃ結核なんかの療養所です。

うちには麦母が実家から運んできた、嫌がらせか?と感じるほどボロッボロの1冊があります。

麦母は大のもぉさまファンなのです。

そのボロッボロを、実際にギムナジウムに通っている麦の息子が読みました。

ヤツはそこら辺にある漫画はとりあえず読むのです。

そして言いました。

ぜんっぜん、ちがうね。

 

はて、なぜ息子が、お勉強ができる子が集まるはずのギムナジウム生の1人なのでしょう?

そんなことは我々両親が一番不思議に思っておるわけです。

予想通り、常に崖っぷちの成績を堅持しておるわけです(成績が悪いと放校か留年)。

 

まぁそれは置いといて、「11月のギムナジウム」に登場する美少年たちは

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写真の使用申し訳ないです

こういった格好をしておるわけです。

この作品は、BLの元祖とも言われていますね。

 

一方、現在のギムナジウム女子は、日本の現代のBL作品をめっちゃ読んでいるようです。

エロ系BLマンガ(マンガはドイツ語でもManga です)はご丁寧に翻訳されて、フツーの本屋で、フツーに売っています。

BL=ボーイズラブ。男性同士の恋愛を描いた作品です。念のため。

 

麦母は、孫がギムナジウムに進学したと聞くと、パァッと目を輝かせて言いました。

いやぁん!ギムナジウムやって!!素敵!!!

 

現実は、その素敵なイメージ通りでしょうか…?

 

〈ギムナジウムのドレスコード〉

まず、漫画のイメージを打ち砕く大前提として、制服はありません。

当然、ネクタイもいたしません。

全寮制でもありません。みんなフツーに家から通って来ます。

 

ある日、学校から帰った息子が、すっかり感心した様子で言いました。

「あのねー、今日ねー、Frau(Ms.の意)◯◯が言ったんだよ。学校にジョギングホーゼ(ジョギング用パンツ…スウェットパンツやジャージ)を着て来てはいけません、ちゃんとジーンズを履いて来なさい、って!」

 

麦は「ちゃんと」と「ジーンズ」のコントラストに笑いそうになりましたが、気を取り直して

「へぇーそうなんや、それ聞いてあんたはどう思ったん?」

と息子に質問してみました。

 

息子はなぜかちょっと誇らしげに

さすがFrau◯◯だと思ったね!学校に何しに来てるのか考えて?だって。遊びに来てるんじゃない、勉強しに来てるんでしょ?だって。いやー、ホントその通りだよね✨」

とまくし立てました。

 

「へぇー、そっか、じゃあちゃんとジーンズ履いて行かなあかんなぁ…」

そう答えるのが、麦の精一杯でした。

 

キミ学校でも碌に勉強などしていないじゃあないか、という言葉はひとまず飲み込みました。

 

そういうわけで、息子は「学校にはちゃんとジーンズ」というドレスコードを遵守しつつ、登校しております。

 

職場なんかでも、ジーンズは最カジュアルではなくビジネスカジュアルの範疇に入っているようです。

まぁほんとに、所変われば、ですね。

 

〈リアル〉

息子がギムナジウムに入学して日の浅い、ある日。

教材を買わねばならぬということで、学校帰りの息子と、本屋さんの前で待ち合わせをしました。

 

その本屋さんは、街のど真ん中の繁華な場所にあります。

 

「あーごめんごめん、遅くなっちゃったー!お待たせしてゴメンなさいね!!」

明るく登場した息子の格好は

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⁉️

あ、朝家を出た時の格好と大分違うやんか…

柄柄やんかぁぁぁ……

体育の後、体操着にしてる着心地が楽なステテコパンツだけキープしやがったな…!

 

「離れて歩こう。」

麦が提案しても

「えっ?なんでナンデ??」

なんだかすごく変なことに、全く気づいていない。

 

素材感も変だし、サイズ感も変なので頭身感まで変なのに。

 

「ちょっとそこのガラスに自分の姿を写して見てごらん」

 

「…あぁっ!コレはヘンだねー!!まぁイイじゃん♫お昼はマルヤス(ファストフード的和食屋。ギムナジウムは毎日昼で終わるのだ)で食べて帰ろうねっ♬」

 

自分でも変だと気づいて頂けたので良かったですが、コレと教材を選び、コレと焼肉丼を食べ、コレと繁華街を歩くのは、なかなかの修行でございました。

 

イメージとリアルの乖離がスゴい。